千代大龍ごっつぁん“遠藤ボーナス” 懸賞12本も付いてきた

[ 2015年7月15日 05:30 ]

遠藤(右)を押し出しで破り名古屋場所初白星を挙げた千代大龍

大相撲名古屋場所3日目

(7月14日 愛知県体育館)
 3場所ぶりに幕内復帰した千代大龍が遠藤を圧倒し、初日が出た。療養のため、名古屋場所を全休する師匠の九重親方(元横綱・千代の富士)を励ます気迫の1勝だ。新大関の照ノ富士は妙義龍をきめ倒し、白鵬、鶴竜の2横綱とともに3連勝とした。
【3日目取組結果】

 うっぷん晴らしの大爆発だ。2連敗の千代大龍が2連勝の人気者を土俵下まで吹っ飛ばした。立ち合いの左かち上げで遠藤をはじき飛ばし、すかさず両手で追撃。最後は前のめりに体勢を崩しながらも、たった2発で豪快に押し出した。この日の朝稽古で「全てをぶつけろ!」とハッパをかけた部屋付きの佐ノ山親方(元大関・千代大海)も「あの相撲なら白鵬でも持っていける」と手放しで褒める圧勝だった。

 12本の懸賞(手取り36万円)をゲットした本人は引き揚げた支度部屋でも笑いが止まらない。「良かったですよ。初日が出たのが(懸賞が多い)遠藤君で。2倍おいしい。やっとゆっくりできます。(家族と)おいしい食事でも楽しみます」。家族の存在が心のよりどころだ。昨年1月に生まれた長女がすくすく成長。歯が2本生え、言葉も出てくるようになった。毎日1時間、テレビ電話でのふれ合いで癒やされる。「おむつ代も稼がないといけない。家族のために相撲取ってますから」と気合満点だ。

 療養中の師匠を励ます白星でもあった。九重親方(元横綱・千代の富士)が内臓疾患で入院し、今場所を全休。場所前まで力士には知らされなかったという。だが、関取衆に携帯メールでメッセージが届いた。「(名古屋へ)行けないけど、15日間しっかり相撲を取って頑張ってください」。これまで場所中は毎日のように激励や叱咤(しった)の言葉が届いていた。今場所はそれがないものの、場所前のメッセージを胸に刻んで土俵を務める。角界で師匠と言えば父にも等しい存在。厳しくも温かい目で見守ってくれる。師匠も含めた“家族”のために千代大龍は活躍を誓う。

続きを表示

2015年7月15日のニュース