文化シヤッター圧巻17連覇 日本代表主力候補が大活躍

[ 2015年7月10日 05:30 ]

世代交代をしながらチームを作り上げ、見事に17連覇を達成した文化シヤッター バズ・バレッツ

スポニチ後援文部科学大臣杯第40回全日本アルティメット選手権大会決勝戦 文化シヤッターバズ・バレッツ15―5(8―3、7―2)ロキートス

(7月4日 富士通スタジアム川崎)
 オープン部門は3年連続同一カードとなり、文化シヤッターBuzz Bullets(バズ・バレッツ)がロキートスを15―5で下して前人未到の17連覇。攻守に奮闘した2年目の猪俣祐太(23)がMVPに輝いた。ウィメン部門は壱(ウノ)が2年連続5度目の優勝を果たした。

 最後はMVPを受賞した猪俣から若谷にパスが通って試合終了。富士通スタジアム川崎でバズ・バレッツの選手が歓喜の輪をつくった。

 雨中での戦いとなったが、前半からエンジン全開。司令塔の吉川が起点となりスピードのある松野、万能型の草野らが次々と得点を重ねた。8―3で折り返すと、後半も堅守を見せ、後半は相手を2点に抑える「横綱相撲」を披露した。15―5で圧巻の17連覇。主将の芝は「連覇が伸びたことは素直にうれしいが、ここは通過点。その先を見据えてやっていく」と表情を引き締めた。

 対戦相手のロキートスなどクラブチームが力をつける中、実業団チームとして結果が求められた。選手たちは普段、社員として、首都圏各地で働く。また、社員以外にも教員などを務める強化選手の存在も層を厚くする。全員が集まっての練習などには制限があるが、実力者が次々と入部する中で世代交代をしながらチームを作り上げてきた。

 昨年7月の決勝は14―12で勝ったが、内容は大苦戦。8月の世界アルティメットクラブ選手権(イタリア)は7位に終わり、メダルには届かなかった。副主将の能勢は「昨年はギリギリだった。まずはディフェンス。圧倒的な試合がしたかった」と例年以上に気合十分で臨み、本来の強さを発揮した。

 堅い守備を評価されてMVPに輝いた猪俣は期待の2年目。都立松が谷高ではサッカー部でGK。進学した日体大でアルティメットをはじめ、13年にはU―23日本代表入り。卒業後は「もっと強くなりたいし、日体大の先輩もたくさんいるので」と文化シヤッターに入社した。MVPに贈られるスポニチ特別賞の盾を手に「競技を始めて5年。初めての個人賞を頂いたので、日本代表を目指して頑張りたい」と前を向いていた。

 来年には世界アルティメット&ガッツ選手権(ロンドン)が行われる。バズ・ブレッツのメンバーは日本代表の中心として期待されるだけに、芝主将、能勢副主将、若手の猪俣らに懸かる期待は大きい。「代表選考はこれから。しっかりアピールしていきたい」と3人は声をそろえる。17連覇を発奮材料に、個人でも飛躍を目指す。

 ◆Buzz Bullets(バズ・バレッツ) 88年に文化シヤッター内の社内サークルとして発足。95年に現在の名称に変更した。「Buzz」はハチの飛ぶ音を再現したもので「Bullets」は弾丸の意。合わせて「ブンブン飛び回る弾丸のように走れるチーム」をイメージしている。

 ≪ロキートス無念…力発揮できず≫完敗だった。3年連続で決勝に駒を進めたロキートスだったが、主導権を握ることなくバズ・バレッツの前に散った。強豪の上智大OBを軸としたダイナミックな攻撃と粘りの守備で昨年は王者を追い詰めたものの、今年は力を発揮できなかった。敢闘賞を受賞した佐藤はニュージーランドのインターナショナル・パシフィック大でアルティメットを始めた実力者だが「普段やっているプレーができなかった」と肩を落とした。今後も練習試合などを通じ、実業団チームとの実力差を埋めていく。

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