照ノ富士、大関自覚の40番 稽古初日から“精進あるのみ”

[ 2015年6月3日 05:30 ]

名古屋場所に向け稽古を再開した照ノ富士(左)

 大相撲の夏場所で初優勝して大関に昇進した照ノ富士が2日、名古屋場所(7月12日初日、愛知県体育館)に向けて東京都江東区の伊勢ケ浜部屋で始動した。大関初稽古でいきなり40番の番数をこなし、目標とする横綱昇進に向けてやる気満々。周囲からも厳しい目を向けられる立場となっただけに、今後は自らの言動にも気をつけることを宣言するなど、大関としての自覚たっぷりだ。

 「さらに上を目指して精進いたします」と口上を述べた先月27日の大関昇進伝達式からわずか6日。照ノ富士は自らの言葉通りに土俵で必死に汗を流した。幕内の宝富士と誉富士を相手に約1時間をかけて40番取って37勝3敗と圧倒。場所後の休みを終えた稽古初日は軽い調整で済ます力士がほとんどだが「いつもやってるから。大関だから変わるのはおかしいじゃないですか」と当たり前のように答えた。

 新大関の初稽古を見ようとテレビ、新聞など、報道陣が20人近く駆けつけるなど今や注目度は現役No・1。昇進してまだ1週間だが「普通に外に出掛けられなくなった。前は誰も知らなかったけど、今はバ~ッと人が来るから。自由がない。どこに行っても週刊誌もいるし…」とぼやいた。それでも、これまでは知名度で遠藤や逸ノ城に劣っていることを自覚していただけに「ありがたい。人気がなかったからね」とどこかうれしそう。同時に「みんな見てるからね、前と違って」と浮ついてはいけないことも分かっている。「冗談を言うのも駄目。ちょっとつらいけど我慢しないといけない。どっちかというと俺、冗談が多いので」と言動に気をつけることを約束した。

 今後は看板力士として協会や部屋の行事に呼ばれることも多くなる。早速5日には新潟県弥彦村で開催される村おこしイベントにゲスト参加する予定。稽古後には色紙500枚に手形を押し「まだ落ち着いていない。仕事も多い」と嘆いたが、稽古については「普段通りにする。場所休みでもしょっちゅうやってたし」とアピール。まだ23歳。どんなに注目されて忙しくなろうが、すぐに疲弊するような器ではない。

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2015年6月3日のニュース