後半の粘りも届かず…錦織、中断までは「自分を見失っていた」

[ 2015年6月3日 04:50 ]

試合後、握手を交わすツォンガ(左)と錦織(AP)

全仏オープンテニス男子シングルス準々決勝 錦織圭―ジョーウィルフリード・ツォンガ

(6月2日 ローランギャロス)
 錦織らしい粘りは見せたが、日本男子としては1933年の佐藤次郎以来82年ぶりとなるベスト4入りには届かなかった。

 地元フランスのツォンガとの戦いはフルセットの末に1―6、4―6、6―4、6―3、3―6で敗戦。錦織は力を使い切った様子で、静かに淡々と試合を振り返った。

 「最初はほぼ風にやられたのと、自分の作戦があてはまってなかった。彼の嫌なところを突こうとせず、無理にポイントを取ろうと攻め急いだ。中断が入るまでは自分を見失っていた。あれだけ見失ったのは久しぶり」

 序盤からリズムをつかめなかった。正確無比なストロークが影を潜め、簡単なミスを連発。分があるとみられていた長いラリーでもポイントが取れず、開始直後から一気に4ゲームを連取され、第1セットを奪われた。

 第2セット、2―5とリードされた場面で、強風のため、スコアボードの金属板が観客席に落下して試合が中断、一時ロッカールームに引き揚げた。「中断中はコーチから作戦やそこまでできていないことを言われて我に返った。あれがなければ、もっと早く負けていたかもしれない」と振り返ったように、中断後にはリズムを徐々に取り戻した。このセットは4―6で落としたものの、第3、第4セットを連取してタイに戻した。

 迎えた最終セット、第4ゲームでブレークを許し、そのまま振り切られた。82年ぶりの快挙を逃した錦織だが、「初めて全仏で良い成績を出せたのはいい経験。そこまで落胆はしていない」と前を向いた。

続きを表示

この記事のフォト

2015年6月3日のニュース