錦織「優勝も狙える」 全仏初8強も「もう慣れてきた」

[ 2015年6月2日 05:30 ]

全仏で日本男子82年ぶりとなる8強を決めた錦織(AP)

全仏オープンテニス

(パリ・ローランギャロス)
 2日に行われる男子シングルス準々決勝で、世界ランキング5位で第5シードの錦織圭(25=日清食品)は地元フランスの世界15位、ジョーウィルフリード・ツォンガ(30)と対戦する。1933年の佐藤次郎以来となる日本男子82年ぶりの全仏ベスト8進出で4大大会初制覇も視界にとらえ、1日はマイケル・チャン・コーチらと約1時間の調整した。

 全仏オープンの準々決勝で、フランスでは現役No・1の人気を誇る選手と対戦する。1回戦で地元のマチューと対戦はしたが、センターコートでのツォンガ戦となれば、ファンの熱狂はその比ではない。相手のポイントのたびに大歓声が湧き、錦織のまずいプレーにはすかさずブーイングが飛ぶはずだ。

 ツォンガには同じパリで行われるマスターズ大会で昨年、一昨年と勝っているが、ローランギャロスはまた別物。「地元の選手の怖さは少なからずある。特にこの大会の応援はなかなか凄い」と錦織も覚悟はしているが、警戒するばかりではない。「サーブとフォアは強烈だけど不得意な相手ではない」。12年全豪オープンで4大大会初のベスト8を決めた時の相手もツォンガ。対戦成績は4勝1敗と相性はいい。クレーでは初対戦となるが、赤土ならばむしろ錦織に分がある。

 4回戦のガバシビリ戦後の会見では笑みを浮かべ、終始肩の力の抜けた様子だった。髪を切ったことを聞かれると「女性みたいなことを聞いてくれますね」と照れくさそうにし、第2セット第6ゲーム後にセットを取ったと勘違いしてベンチに向かったことには「…事故です」とこれまた笑ってごまかした。全仏初のベスト8に「一つのゴールをクリアできた」と言いつつも、「4大大会のベスト8も、もう慣れてきたので驚きはない」という言葉に偽りはなさそうだ。

 フィジカル面でも準備は整っている。3回戦が不戦勝となった上に、3戦連続のストレート勝ちでベスト8まで勝ち上がった。ここまでの合計試合時間は6時間27分。これまでベスト8に進んだ4大大会の合計試合時間は、昨年全米オープンの9時間19分が最短。その時と比べても約3時間短く、ツォンガと比べても約2時間短い。それだけ余力は残している。

 「まだまだ体力に余裕がある。次の試合を戦う上でも自信になるし、出だしから100%でいけるきっかけになる」と錦織は佳境を迎えるこの先の戦いを見据えた。「今までのいいテニスができていれば優勝までチャンスはある」。今大会で、初めて口にした“優勝”の2文字。その言葉を現実にするために、頂点までのステップは、あと3試合だ。

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