小川 驚きの“プロ初V”女子初制覇 マスターズGC切符獲得

[ 2015年5月25日 05:30 ]

ホールアウトした後、兼岩(左)に優勝を知らされた小川は涙を浮かべながら口を押さえる

第3回マイナビシニア&レディースカップ最終日

(5月24日 千葉県柏市 藤ケ谷カントリークラブ=男子6884ヤード、女子レギュラー6349ヤード、女子レジェンズ5829ヤード、いずれもパー72)
 男女プロが同組で回る異色の混合戦で争われ、1打差の2位から出た小川陽子(26=飯田通商)が1イーグル、3バーディー、3ボギーの70で回り通算5アンダーで女子で初めてこの大会を制した。小川はプロ転向後初優勝で、優勝賞金200万円と女子レギュラーの部優勝の特別賞50万円、NOBUTA GROUP マスターズGCレディース(10月22日開幕、兵庫・マスターズGC)の出場権を獲得した。通算1オーバーの藤井かすみ(47=フリー)が女子レジェンズ(45歳以上)の部で優勝し、特別賞50万円を獲得した。

 18番、4メートルのウイニングパットを沈めた瞬間、小川は優勝したことを知らなかった。グリーン脇で同期で仲の良い兼岩に「勝ったよ」と言われてようやく喜びが広がった。「(順位が)気になっていたけど、聞かずにプレーした。パットを入れた時もプレーオフか優勝か分からなかった。プロ初勝利です」。自然と涙があふれてきた。

 最終組で出て2番をボギーとしたが、3番で残り60ヤードからウエッジで放り込みイーグル、4番でバーディー。6、10番もバーディーを奪って首位を快走。その後2ボギーを叩き、終盤は崎山とのマッチレースとなった。

 崎山とは前日に同組で回った。「(同組で回る)お客さんへの接し方とかを教えていただいた。それを意識したから、いれ込みすぎず周りが見えた」。助言のおかげで冷静さを失わず、その崎山を振り切って女子で初めてこの大会を制した。

 広島県出身。小学生の頃、歯科医の父・一寿さん(58)と親交のある男子プロ今田竜二、谷原秀人と一緒にラウンドした経験もある。「今田さんにはジュニア用のクラブをもらって、グリップを教わったんです」。

 専大時代からプロテストに挑戦したがなかなか合格できず、一昨年から下田次郎コーチ(38)に師事。「感覚でやっていたのでプレッシャーがかかった時にミスが出た。スイングを一からつくり直した」。フックグリップからスクエアグリップに替え、冬はラウンドを控えスイングづくりに専念。その成果で昨夏のプロテストに合格。ステップアップツアーで実績を積んだ。この優勝でマスターズGCレディースの出場権を獲得。初のレギュラー参戦も決まった。

 「レギュラーツアーを目指していたのでうれしい。予選を通過して最終日を経験してみたい」。手にした賞金合計250万円を使い、ゴルフ用弾道計測器トラックマンを購入する。「これでゴルフが変われば」と次なるステージを見据えていた。

 ◆小川 陽子(おがわ・ようこ)1989年(平元)2月8日、広島県福山市生まれの26歳。7歳の時に父・一寿さんの影響でゴルフを始める。香川西高、専大でゴルフ部に所属。専大2年時に中国女子アマ、関東女子学生優勝。卒業後はスリーハンドレッドクラブで研修生。昨年4月に退職し、現在は広島県尾道市在住。昨年、4回目の挑戦でプロテストに合格。得意クラブはアイアン。1メートル61、55キロ。

 ▽競技方法 男女プロ各1人、アマ2人の4人1組でラウンド。男子はシニア、女子はレジェンズ(シニア)に加えレギュラーも参加。プロは2日間36ホールストロークプレーの個人戦。異なる3つのティーマークを使用するが成績、賞金は共通。1位が複数の場合はサドンデス方式のプレーオフで優勝者を決める。

続きを表示

この記事のフォト

2015年5月25日のニュース