日馬 白鵬討ちで弟弟子Vアシスト、春の雪辱「正直ホッと」

[ 2015年5月25日 05:30 ]

白鵬(左)を寄り倒しで破った日馬富士

大相撲夏場所千秋楽

(5月24日 両国国技館)
 弟弟子の照ノ富士の初優勝を、日馬富士がアシストした。結びで白鵬を寄り倒し。息を弾ませながら引き揚げた西の支度部屋では、同じ伊勢ケ浜部屋の安美錦から熱い抱擁で迎えられた。

 「余計なこと考えずに自分の相撲に集中した。正直ホッとした。勝った瞬間に照ノ富士のことが頭に浮かんだ」

 春場所千秋楽の結びも似た状況だった。寄り切られて白鵬の優勝が決まり、照ノ富士と白鵬の優勝決定戦は実現しなかった。2度も続けて期待を裏切れなかった。相手の突きで押し込まれた土俵際。低くかがんでから潜り込み、右下手、左前みつを取って頭もつけた。一気に形勢を逆転して勝利をつかんだ。部屋を引っ張る横綱として「ずっと胸を出してきた弟弟子たちの活躍はうれしい」と頬を緩めた。安美錦も「巡業でも部屋でも(照ノ富士は)ずっと稽古している。一番稽古してる力士だから結果が出て当たり前」と喜んだ。

 師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)は土俵下で弟子の奮闘を見届けた。「日馬はよく頑張った。立派なものじゃないですか」と援護射撃を称えた。審判部長として照ノ富士に優勝旗を授与。弟子に手渡すのは初めてで「何かジーンときたね」と目を潤ませた。

 伊勢ケ浜時代の到来だ。横綱、大関が同時に一つの部屋に在籍するのは03年九州場所まで横綱・武蔵丸、大関・武双山を擁した武蔵川部屋以来となる。さらに、東前頭筆頭で9勝6敗の好成績を残した宝富士は名古屋場所で新三役が有力で、上位陣を悩ますベテラン業師の安美錦、突き押しの誉富士ら多士済々だ。照ノ富士の昇進で、伊勢ケ浜部屋の勢いは加速しそうだ。

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