片岡 ツアー8年目の初V “国際派”26歳が外国勢連勝止めた

[ 2015年5月25日 05:30 ]

通算17アンダーでツアー初優勝を飾り、カップを掲げる片岡

男子ゴルフツアー 関西オープン最終日

(5月24日 滋賀県東近江市 名神八日市カントリー倶楽部=6900ヤード、パー71)
 首位と1打差の2位で出た片岡大育(だいすけ、26=Kochi黒潮CC)が5バーディー、1ボギーの67で回り、通算17アンダーでツアー初優勝を果たした。パットが好調で4番から4連続バーディーを奪い、逆転Vへの道筋をつけた。この大会はツアー新記録となる外国人開幕4連勝が懸かっていたが、アジアンツアー経験がある“国際派”が日本勢にとって不名誉な記録を阻止した。
【最終R成績】

 人柄がにじみ出ていた。18番で50センチのパーパットを決めると、帽子を脱いで一礼した。ツアー参戦8年目。念願の初勝利にもかかわらず、片岡の辞書にガッツポーズという言葉はない。「ありがとうございました」。誠実な26歳は、そう心の中で唱え、琵琶湖から吹く風とともに静かにグリーンを後にした。

 3日目につかんだグリーンの癖は正しかった。「今までの試合に比べると重い。ラインを浅めに読んだ」。4番で1メートル強、5番で3メートルを沈めて単独トップに立つと、6、7番も6メートルを沈めて4連続バーディー。同じ最終組の山下、岩田が崩れるのを尻目に好調なパットで伸ばした。リーダーボードが少なく「ずっと1打差と思って、焦っていた」と、後半は外国勢の足音におびえながらも、崩れなかった。2位に3打差をつける完勝だった。

 「こんなに早く優勝できると思っていなかった。本当に優勝できるのか不安でした」。高校卒業後2年目でツアー参戦を果たしたものの、3年間は鳴かず飛ばずで「涙を流すくらいの絶望を感じた」という。だが、壁は自らの手で乗り越えた。出身の香川西高ゴルフ部は毎日7キロを走るのが日課で、頑張り屋の片岡は3年間いつも1位だった。活路を求めて11年から参戦したアジアンツアーでも地道な取り組みは同じ。しゃく熱の練習場で黙々と打ち続ける姿が広く知られていた。「ゼロからコツコツ頑張ってきた」。飛距離のなさを小技で補い、絶望の涙と決別した。

 酒豪が集まる「平塚哲二軍団」の一員とあってイケる口だ。3月には京都の祇園で飲みつぶれて路上で寝たことも。誠実さと豪快さを併せ持つ26歳が、開幕からの外国勢の連勝を止めた。

 ◆片岡 大育(かたおか・だいすけ)1988年(昭63)10月17日、高知県出身の26歳。野球少年だったが、中学1年の時に父・和人さん(53)に練習場に連れていかれ、ゴルフを始める。香川西高3年時に四国アマに優勝。高卒1年目の07年にアマながら中四国オープン(ツアー外)に優勝。07年11月にプロ宣言し、08年から国内ツアー参戦。13年に初の賞金シードを獲得。アジアンツアーでも11年からの3年間、賞金シードを得た。1メートル67、72キロ。得意クラブはパター。

 【勝者のクラブ】▼1W=ブリヂストン・ゴルフJ815(ロフト角9・5度、シャフトの長さ46インチ、硬さX)▼3W=本間ゴルフ・TW727▼5W=ツアーステージX―FW▼3、4UT=ツアーステージX―UT GR▼5I~PW=ブリヂストン・ゴルフJ15CB▼ウエッジ=同BSGフォージド(52、58度)▼パター=オデッセイ・ホワイトホットツーボール▼ボール=ブリヂストン・ゴルフツアーB330S

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