照ノ富士 初Vなら大関!3敗でも急転可能性復活

[ 2015年5月24日 05:30 ]

千秋楽、最後の白星はどっち?3敗で並んだ照ノ富士(左)と白鵬は支度部屋ですれ違う

大相撲夏場所14日目

(5月23日 両国国技館)
 関脇・照ノ富士が妙義龍を押し出しで下して11勝目を挙げ、横綱・白鵬に並ぶトップに浮上した。今場所での大関昇進について、当初見送る方針だった審判部は急転して優勝を条件に推薦する意向を示した。照ノ富士は初優勝&大関昇進を懸けて千秋楽に臨むことになった。白鵬は大関・稀勢の里に敗れて3敗目。3敗は2人、4敗は6人となった。千秋楽で計8人に優勝の可能性があるのは72年初場所以来43年ぶりとなった。

 3敗で並んでいた魁聖、勢が脱落し、負ければ自身より後に取組が控えていた白鵬の優勝の可能性がぐっと高まる一戦。重圧がかかる中でも、照ノ富士は落ち着いていた。妙義龍の鋭い立ち合いに一歩も引かず、右を差し、左は相手の右腕を抱えた。前に出て一気に押し出し。「右を差して出ようと思った。その通りの相撲が取れた。自分しか残っていなかったので何とか千秋楽まで持ち越したい気持ちがあった」と狙い通りの完勝。その後に白鵬が敗れ、ついにトップタイに浮上した。

 大混戦となって12勝でも優勝のチャンスが出てきたことで、審判部が動いた。当初「13勝以上」などの高いハードルが掲げられていた今場所での大関昇進。11日目に白鵬に敗れて3敗目を喫した時点で、51年吉葉山以来の新三役2場所での大関昇進の可能性はなくなったはずだった。しかし、井筒副部長(元関脇・逆鉾)は「強いね。12勝で終わって優勝がつけば大関ということになる。ぐっと近づく」と優勝なら大関に推薦する意向を示した。北の湖理事長(元横綱)も「優勝は重きを置かないといけない」と語った。

 一度は諦めていた照ノ富士は朗報に「うそでしょ?(大関に)なる?」と目を白黒させた。白鵬と1差で千秋楽を迎えた春場所は両者ともに本割で勝って優勝決定戦に持ち込むことはできなかったが、今回は自力での優勝チャンスがある。対戦が予定された過去2勝3敗の豪栄道は休場。3戦全勝の碧山との対戦になった。白鵬の相手は兄弟子の日馬富士で援護射撃も期待できる。「思いきっていくだけ。明日自分の一番に勝ったらあとは待つだけです」。優勝のチャンスも意欲も、春より確実に高まっている。

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2015年5月24日のニュース