桃子 粘って2位浮上、逆転初メジャー制覇へ 右足痛み耐えた

[ 2015年5月10日 05:30 ]

サロンパス杯第3日17番、バーディーパットを沈めた上田はスコアを示すボードを背にガッツポーズを見せる

女子ゴルフツアー ワールド・レディース・サロンパス・カップ第3日

(5月9日 茨城県つくばみらい市 茨城ゴルフ倶楽部東コース=6550ヤード、パー72)
 3位から出た上田桃子(28=かんぽ生命)が2位に浮上。先月負傷した右足の痛みを抱えながら5バーディー、3ボギーの70で回り通算8アンダーに伸ばした。首位との差は2打から5打に広がったが、最終日は逆転でのメジャー初優勝を狙う。日本ツアー初出場の田仁智(チョンインジ、20=韓国)が67をマークして通算13アンダーで単独首位をキープした。
【第3R成績】

 首位の背中が見えなくなりそうだった。6打差で迎えた15番。上田はキャディーと話し「あと2つ(バーディーを)取ろう」と気合を入れた。

 15番パー5で残り50ヤードの3打目を1メートルにつけてバーディー。160ヤードの17番パー3は71で右4メートルに乗せてねじ込んだ。最終18番パー5は2打目がグリーン手前のラフに落ちたが、2メートルに寄せて連続バーディーフィニッシュ。終盤4ホールで3つスコアを伸ばし、首位との差を1つ縮めて「あす(優勝が)狙える位置にいることができて良かった」とうなずいた。

 「足の状態はきょうが一番良くなかった」。4月23日に右足親指の爪をはがした。練習日からテーピングをきつく巻いていたが、変形した爪が肉に食い込んで激痛が走った。前日に伸びた爪を切ったら、今度は短くなった爪が浮いてきてシューズに当たって痛んだ。

 この日は鎮痛剤を服用していたが、一日中痛みが続いて走ることもできないほどで「足の裏で地面を感じて粘る普段のスイングはできなかった」。右足に力が入らない分、腰や膝に力を入れてスイング。「最後は気持ちしかない」と自らを鼓舞して戦い抜いた。

 国内メジャー最終日最大の逆転劇は、具玉姫(クオッキ)との6打差をひっくり返し森口祐子が優勝した85年日本女子オープン。上田はその記録に次ぐ5打差からの逆転優勝を狙う。

 首位の田仁智については「女性版のアーニー・エルス。テンポが良いし、オールマイティーなポテンシャルを持っている」と評価しつつ「でも人間だから隙もあるし、自分の世界に入ってプレーできれば相手にプレッシャーをかけられる」と言い切った。「あすも足の状態は変わらない。気持ちでやれれば」。痛みに打ち勝って初のメジャータイトルを手に入れる。気力は萎えていない。

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