IOCの五輪改革を痛烈批判、ビゼール会長「不安定にしている」

[ 2015年4月21日 00:14 ]

 非五輪競技を含めた各種の国際スポーツ団体が加盟する「スポーツアコード」のビゼール会長は20日、ロシアのソチで開幕した総会のあいさつで、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が推進する中長期改革「五輪アジェンダ2020」について「国際競技連盟(IF)の利権が適切に扱われていない。スポーツ界に利益をもたらさない」と痛烈に批判した。

 国際柔道連盟(IJF)会長も務めるビゼール氏はIOCとの協力関係の必要性を示した上で「IFのために多くの提案をしたが、好意的な反応はなかった。全ての団体に公平に対応してほしい」と主張。五輪改革で競技数の枠を撤廃し、開催都市が複数の種目追加を提案できる権利を認めたことを「五輪競技を不安定にしている」と切り捨て、対立姿勢が鮮明になった。

 続いてあいさつしたバッハ会長は「五輪改革は長期間、対話を重ねて進めている」と強調した。

 国際陸連はビゼール会長に反発し、スポーツアコードを脱退する方針を決めた。国際陸連によると国際射撃連盟も脱退するといい、その他の五輪競技団体も抗議の意思を文書で示したという。

 スポーツアコードはIOCに対抗し、都市空間を利用した世界アーバン大会などを開催する計画がある。スポーツアコードが開催する会議では例年IOC理事会が開かれていたが、今回は開催されない。

 2013年に就任したビゼール会長は対立候補者が不在のため再選され、2期目に入った。(共同)

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2015年4月21日のニュース