錦織 成長実感大会初16強!苦手舞台で苦手ベルダスコ初撃破

[ 2015年3月18日 05:30 ]

リターンする錦織

テニスBNPパリバ・オープン

(3月16日 米カリフォルニア州インディアンウェルズ)
 世界ランキング5位の錦織圭(25=日清食品)が今大会初のベスト16入りを果たした。男子シングルス3回戦で世界31位のフェルナンド・ベルダスコ(31=スペイン)に6―7、6―1、6―4で逆転勝ち。同選手とは3年ぶり3度目の対戦で初めて白星を挙げた。錦織は18日(日本時間19日)の4回戦で世界12位のフェリシアノ・ロペス(33=スペイン)と対戦する。

 リターンに行った錦織が思わず身をよじって避けた。第1セットのタイブレーク、ベルダスコのサーブはコートに鋭く食い込み、顔面の高さまで跳ね上がってきた。世界一のリターン力を誇る錦織がこの時ばかりはラケットに当てることもできなかった。

 「サーブが良くて、フォアに回り込んでくるレフティー。ナダルに近いプレースタイル」と警戒していた元世界7位の実力者。ラファエル・ナダル(スペイン)と同様に錦織がこれまで勝ったことのない選手だった。

 3年ぶり3度目の対戦となった今回も、序盤は猛烈にスピンの効いたベルダスコのくせ球にやはり手を焼いた。緩急交えたストロークにも苦しみ、第1セットはタイブレークで落とした。しかし、第2セットに入ると「プレーの質、ボールの感覚も良くなった」と徐々に対応。相手のミスも目立ち、6―1と圧倒して取り返した。

 勢いに乗って最終セットは第1ゲームでブレークに成功。互いにキープが続き、5―4で錦織のサービスゲームとなった。「接戦で苦しかったが、集中するように努めた」。連続ダブルフォールトを犯して15―40と追い込まれたものの、勝負どころと見るやひるまず攻めた。第1サーブが再びフォールトした後、第2サーブはリスクを恐れずセンターラインに打っていった。賭けに成功してピンチをしのぐと、このゲームで勝負を決めた。

 一度もブレークを許さずにベルダスコから初勝利を挙げ、7度目の出場となる今大会で初めて4回戦に駒を進めた。「何年か前にまだまだ勝てないと感じた相手だった。自分が成長したことで、今まで勝てなかった相手に得意でない大会で勝つことができた」。2時間15分の熱戦で手にした勝利は、自らの歩みの確かさを強く感じさせてくれたようだった。

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