【新風力士】中高大“横綱”の実績、大輝は前相撲から“急がば回れ”

[ 2015年3月13日 08:35 ]

一番出世披露で挨拶する大輝

 実績十分の大物が前相撲からプロの道を歩み始めた。中高大で“横綱”の栄冠を手にした大輝(八角部屋)だ。日体大2年で全国学生選手権(インカレ)、3年で国体成年を制し、いずれも幕下15枚目格付け出し資格を得たが、4年時は優勝できずに1年間有効の資格を失効。期限内に途中退学してプロ入りという道も意識したことはあったが「大学に行かせてもらった両親に悪い。団体優勝もしたかった」と大学生活の全うを決断。付け出し資格は東洋大の大道(現・御嶽海)に奪われたが、主将として日体大をインカレ団体優勝に導き、かけがえのないものを得た。

 前相撲の2番はいずれも圧勝。この日、兄弟子の関脇・隠岐の海から借りた化粧まわし姿で土俵に上がり、一番出世として披露された。「プロの実感はない。番付に載ったり、まげを結ってからじゃないですかね」。部屋では三段目や幕下と稽古を行っているが「負けないですね」。大学2年のインカレ準決勝では現幕内・遠藤を押し倒し、同決勝では現幕下・正代を肩透かしで破った実力者。師匠の八角親方(元横綱・北勝海)は「焦らずに下半身を鍛えること。前相撲から取るのは回り道ではない」と期待を込めた。

 ◆大輝 明道(だいき・あきみち)本名・中村大輝。1992年(平4)7月15日、埼玉県所沢市生まれの22歳。所沢市立南小時に相撲を始め、わんぱく相撲全国大会に出場。所沢市立南陵中時に中学横綱、埼玉栄高時に高校横綱、日体大2年時に大学横綱。1メートル82、154キロ。

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2015年3月13日のニュース