白鵬、圧勝白星発進 土俵上では「問題なし」も取材“強制終了”

[ 2015年3月9日 05:30 ]

何とか白星スタートの白鵬は懸賞金の束を誇らしげに受け取る

大相撲春場所初日

(3月8日 大阪・ボディメーカーコロシアム)
 大鵬に続き史上2人目となる2度目の6連覇と34度目の優勝が懸かる横綱・白鵬(29=宮城野部屋)は小結・妙義龍(28=境川部屋)を押し倒して白星発進した。先場所の千秋楽一夜明け会見では審判部の勝負判定への不満から痛烈批判を展開。その騒動を起こして以来、口数が少なくなっていたが、土俵上では全く影響がなく順当なスタートを切った。
【初日取組結果】

 土俵外ではいつもと違う振る舞いを続ける白鵬だが、土俵内では変わらない強さを示した。実力者の妙義龍に対して低く鋭く立って先手を取ると一気に前へ。その後、左からのいなしに一瞬バランスが崩れたものの、体勢を立て直して再び前に出たところで圧力勝ちして押し倒した。優勝33回を飾った先場所後に「子供が見ても分かる相撲」などと審判批判をして以来、多くを語らない日々を貫くが、その影響をなんら感じさせなかった。

 取組後の支度部屋。奥の定位置に座るなり、報道陣に「下がれ下がれ」とつぶやいた。立ち合いについて尋ねられた際には「問題ありませんよ」と小さな声で答えたが、その後の質問には無言。まだマゲを結い直している最中に「はい、よし、下がって」と取材を“強制終了”させて、そのまま会場を後にした。

 館内のファンからは審判批判について「あれは言い過ぎやな」との声も聞かれた一方で、場所入りの際に「頑張れ」「格好いい」という温かい声援も届いた。めったに口を開くことがなくなった横綱。日常生活では決して無口な性格ではないだけに、自身のブログでは前夜に「さぁ!!今場所から1人旅に出ます」と書き込んで思いを伝えた。

 先場所後、今後の目指す相撲について双葉山が極めたとされる「後の先」の立ち合いを目指すことを誓った。だが、北の湖理事長(元横綱)も「白鵬の方が前に圧力を掛けていた」と解説したように“勝ちにいく相撲”を選択。言動ではなく、土俵上で絶対的な強さを示す。それが横綱の仕事であることを決意し直し、順当に勝った。しゃべらなくても、引退が早まるわけではない。終着点の見えない白鵬の一人旅が始まった。 

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