角野衝撃の「トリプルコーク1620」連発で逆転V

[ 2015年3月8日 05:30 ]

スノーボードのUSオープン男子スロープスタイルで優勝した角野友基(中央)(バートン提供・共同)

 スノーボードのUSオープンが6日、米コロラド州ベイルで行われ、角野友基(18=日産X―TRAIL)が男子スロープスタイルで超大技を成功させて優勝した。予選で8位となり、1人が3回滑る決勝に進出。2位で迎えた3回目の試技で、3回宙返りを含めて4回転半する大技「トリプルコーク1620」を2回連続で決める離れ業が決まった。90・05点の高得点を叩き出し、前回覇者で冬季Xゲームも制したマーク・マクモリス(21=カナダ)を逆転した。

 世界に衝撃を与える滑りだった。滑り終えた角野に次々と選手が駆け寄り、担ぎ上げて祝福した。「もうやるしかないって覚悟を決めてやった。立った瞬間は頭が真っ白になった」。まだマクモリスの最終滑走が残っていたが、もはやお祭り騒ぎだった。

 W杯や世界選手権以上に強豪が集まるスノーボードのUSオープン。前日の予選が強風のために順延となり、決勝まで含めて5本を滑るタフなスケジュールだった。しかし、その最後に見せたのが最高の滑りだった。2つ目のジャンプ台で最初の4回転半に成功。それだけでも大歓声が沸いたが、そこからさらに「スイッチバックサイド・トリプルコーク1620」につなげた。同技は先月行われたビッグエアの大会で、角野が世界で初めて成功させた超大技。それを今回はスロープスタイルの流れの中で繰り出し、見事に着地も決めた。2回目に87・80点を出したソチ五輪銅メダリストのマクモリスも「友基は不可能と思っていたことをやった」と脱帽。AP通信は「今後数年にわたってインパクトを残す。金メダルの新基準を示した」と絶賛した。ソチ五輪では8位だった角野だが、紛れもない世界のトップライダーに上り詰めた。

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2015年3月8日のニュース