錦織貫禄ストレート勝ち さすが日本エース1敗即取り返した

[ 2015年3月8日 05:30 ]

第2セットを奪いガッツポーズする錦織(AP)

男子テニス国別対抗戦デ杯ワールドグループ1回戦・日本―カナダ

(3月6日 バンクーバー)
 シングルス2試合が行われ、日本は世界ランキング4位の錦織圭(25=日清食品)がエースの役割を果たした。第1試合で世界85位の伊藤竜馬(26=北日本物産)が世界6位のミロシュ・ラオニッチ(24)に敗れた後の第2試合で、世界62位のバセク・ポシュピシル(24)に6―4、7―6、6―3のストレート勝ちを収めた。第2日の7日はダブルス1試合が行われ、8日の最終日は初日と対戦相手を入れ替えてシングルス2試合を実施し、先に3勝したチームが準々決勝に進む。

 初戦を伊藤が落とした後の第2試合。カナダの応援の鳴り物が騒がしさを増す中で錦織は冷静だった。「基本的にテニスの伝統とは違う。マナーがほとんどないので、やりにくいけど、それを踏まえて集中した」

 国別対抗戦のデ杯は、相手のダブルフォールトにも遠慮なく歓声が上がる独特の雰囲気に包まれる。サーブの間合いが乱れることもしばしばだったが、頼れるエースはアウェーの雰囲気をものともしなかった。

 アウェー仕様のコートもはねのけた。ビッグサーバーのラオニッチを擁するカナダは、今回のコートを球足の速いものに仕上げてきた。ポシュピシルもサーブ力を生かして攻めてきたが、錦織はすぐさま対応した。遅いコートでラリーを中心に組み立てた先週のメキシコ・オープンから切り替え、サーブとリターンに重点を置いた。

 「めちゃくちゃ速いコートだけど、ここに合ったテニスができている。速いコートだとサーブは自然と良くなる。ラリー数は少なくなるけど、いいテニスができた」。第1セットを先取すると、第2セットは際どいタイブレークを会心のリターンで取り切った。第3セットも要所で放つ鋭いリターンがポシュピシルを追い込んだ。決定打は相手の32本を大きく下回る18本。その代わりに65本もの凡ミスを相手から引き出した。

 昨年の対戦でカナダを破った時の世界ランキングは18位だった。1年たって4位まで上昇し、チーム内の役割をより強く自覚するようになった。「絶対的なNo・1がいて、それにつられて(他の選手が)勝つこともある。チームに1人強い選手がいるだけで変わる」。9日のラオニッチとのエース対決も当然負けられない。「目標は4強。チームが底上げされれば可能だと思う」と昨年を上回るベスト4入りを宣言。その成否は錦織に懸かっている。

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2015年3月8日のニュース