錦織 世界4位に王手!旧友対決制し4強“ビッグ4入り”へ

[ 2015年2月28日 05:30 ]

男子シングルス準々決勝でリターンする錦織圭

男子テニス メキシコ・オープン

(2月26日 メキシコ・アカプルコ)
 男子シングルス準々決勝で、世界ランキング5位で第1シードの錦織圭(25=日清食品)が“TOP4”入りに王手をかけた。世界33位で第5シードのアレクサンドル・ドルゴポロフ(26=ウクライナ)に6―4、6―4とストレート勝ちしてベスト4入り。27日(日本時間28日午前9時以降)の準決勝では世界15位の第4シード、ケビン・アンダーソン(28=南アフリカ)と対戦。この試合に勝てば大会後の世界ランキングで自己最高の4位に浮上する。

 試合が始まったのは午後5時すぎというのに気温はまだ29度もあった。しかも相手は運動量の多いドルゴポロフ。ナイトマッチだったこれまでの2試合とは一転、ウエアを何枚も交換する消耗戦となった。だが、試合を終えた錦織は「お互いにいいテニスができた」と満足げに汗を拭った。

 1歳違いのドルゴポロフとはジュニア時代から旧知の間柄で、1月のブリスベン国際ではダブルスでペアを組んで準優勝した。多彩なショットと素早い展開、攻撃的なスタイルは錦織に通じるものがある。かみ合う2人の試合は第1セットの第1ゲームから10分を超え、錦織のいきなりのブレークで幕を開けた。

 4―4と並ばれると、直後の第9ゲームで再び相手サーブを破った。徐々にリズムの出てきたドルゴポロフに対し、左右だけでなく、ドロップショットなどで前後の揺さぶりもかけ、冷静に勢いを止めた。最後は相手の第2サーブに回り込んでリターンを叩き込み、再びリードを奪った。

 勝負の鍵となったのはこの第2サーブでのポイント獲得率だった。ドルゴポロフのサーブは、トスが頂点に達する前に打つクイックサーブ。タイミングの取りづらさはあるはずだが、相手の第2サーブの50%をポイントにつなげた。一方、自らのサービスゲームではスピンサーブを深く打ち込み、効果的な返球を許さなかった。「相手が前に出てきていたが、うまく攻めさせなかった」と言うように第2サーブの得点率は77%に達した。

 世界3位のA・マリー(英国)がドバイ選手権の準々決勝で敗れたため、決勝に進めば自己最高の4位浮上が決まる。「(ランキングは)考えていない。あまり上がりたくないので」と苦笑いした後に「1年を戦い切った上での結果だと思う」と表情を引き締めた。

 クルム伊達公子と並んでいるツアー勝利数で、日本人単独最多の9勝目も目前。だが、錦織は視線は目先の数字よりも目先の相手に向いている。

続きを表示

この記事のフォト

2015年2月28日のニュース