日馬8場所ぶりVへ稽古再開 英王子との対面控え気合充実

[ 2015年2月27日 05:30 ]

稽古を再開し精力的に汗を流す日馬富士

 大相撲春場所(3月8日初日、大阪市ボディメーカーコロシアム)で8場所ぶりの優勝を狙う横綱・日馬富士(30=伊勢ケ浜部屋)が26日、稽古を再開した。大阪入り後に体調を崩していたものの、いきなり弟弟子の新関脇・照ノ富士(23)らと12番の申し合いをこなして気合十分。27日は初来日中の英王室のウィリアム王子と面会する。相撲界代表の親善大使という重責を全うし、春場所でも奮闘を誓う。

 英王室と縁が深い競技と言えば“スポーツ・オブ・キングス”と称される競馬、王室関係者が観戦に訪れるテニスのウィンブルドンがある。だが、今回初来日中のウィリアム王子は、大相撲ファン。駐日英大使夫妻が今年初場所中に伊勢ケ浜部屋を訪れた縁もあり、王子の「横綱(日馬富士)に会いたい」という要望が実現した。

 日馬富士は27日に英国大使館で催されるレセプションパーティーにバトトール夫人、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)夫妻と一緒に招待された。ロイヤルファミリーとの面会を心待ちにしており、この話題に「何か(王子へ)伝えておくことはありますか?」と笑顔で記者へ逆質問。相撲界代表として親善大使の重責を全うする構えだ。

 体調が万全でない分、調整は急ピッチだ。大阪入り後、へんとうが腫れて発熱。3日間は点滴治療を受け、静養に努める誤算があった。それだけに、稽古再開初日から精力的。最初は土俵外で立ち合いの動きを確認していたものの、申し合いに緊急参戦。照ノ富士、宝富士を相手に12番を取り、気合のこもった内容で11勝1敗だった。

 「体を動かすだけだと思っていたけど。(関取衆の稽古を)見ていたら、じっとしていられない。稽古が好きなんだな」。王子を魅了したスピーディーな取り口が完全復活するまで、あとわずか。感激の初対面を力に変え、春場所で一昨年九州場所以来8場所ぶりの優勝を狙う。

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