赤鬼ルスカ氏死去 五輪柔道唯一の2階級制覇 猪木とも対戦

[ 2015年2月16日 05:30 ]

76年2月、アントニオ猪木と対戦したルスカ氏

 72年ミュンヘン五輪で柔道男子の重量級と無差別級の2階級制覇を果たしたオランダのビレム・ルスカ氏が14日に死去した。74歳だった。脳出血のため01年から闘病していた。国際柔道連盟(IJF)が15日に発表した。

 ルスカ氏はオランダ・アムステルダムで生まれ、20歳で柔道を始めた。すぐに頭角を現し、67、71年には世界選手権の重量級を制して世界のトップに立った。ミュンヘン五輪で2冠を達成したが、五輪の柔道で同一大会2階級制覇は他に例がない。

 72年に現役を引退した後は後進の指導に当たっていたが、プロ格闘家に転向し、日本で「ウィリエム・ルスカ」などの名前で活動。76年には「格闘技世界一決定戦」でプロレスラーのアントニオ猪木と対戦し、バックドロップ3連発を浴びて敗れた。その後は新日本プロレスに継続参戦。激しい闘いぶりで「赤鬼」の愛称で親しまれていた。94年には猪木と再戦したが、チョークスリーパーで敗北を喫した。13年にはIJFの殿堂入りを果たした。柔道とプロレスで存在感を示した名選手が、静かに息を引き取った。

 ▼アントニオ猪木参院議員 逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。最近では、体調を崩されているということを聞いていましたので、心に留めており、また激闘を繰り広げたかつてのライバルたちを見送ることは非常につらいものです。心からご冥福をお祈りいたします。

続きを表示

2015年2月16日のニュース