帝京大 TL本気にさせた!「連破」はならずも意地の猛追

[ 2015年2月16日 05:30 ]

<東芝・帝京大>鳩が舞う中、帝京大・重(中央)が突進

ラグビー 日本選手権2回戦

(2月15日 秩父宮)
 トップリーグ連破の目標は次世代に託された。2回戦2試合が行われ、大学選手権6連覇の帝京大は24―38でトップリーグ3位の東芝に敗れた。8日の1回戦で大学勢として9季ぶりにトップリーグ勢(NEC)を下した帝京大だが、前半に3トライ3ゴールを奪われる苦しい展開。それでも風上の後半は19―17と東芝にスコアで上回り、大学勢の可能性を示した。また、トップリーグ5位のサントリーは22―10で同3位の神戸製鋼を破り、準決勝進出を決めた。

 あまりの強さに大学同士の試合では「ヒール役」になりがちな帝京大がスタンドを味方につけた。14点差のラストワンプレー。逆転勝ちの可能性がなくてもトライを取りに行った深紅のジャージーの15人。力及ばずボールを奪われノーサイドとなったが、惜しみない拍手はラグビーファンの心をつかんだ証拠だった。

 「必ず勝てると自分たちを信じて、実際にそのレベルにあった。さまざまなところで力は足りなかったが、学生たちはよく頑張った」

 会見中、SH流主将の横で目を潤ませた岩出雅之監督は語った。強力FWのセットプレーを得意とする東芝にスクラムとラインアウトモールで圧倒され、前半は5―21で折り返し。後半も5―31まで突き放されたが、その後は落ちない運動量を生かしてWTB磯田、尾崎が計3トライ。流主将も「先週と違う圧力があったが、ひるまずファイトできた。もう少し精度を突き詰めれば違う結果になったのでは」と心の底から悔しがった。

 トップ4と称される東芝の壁は越えられなかったが、課題は来年度に生かされる。8日の1回戦でNECを31―25で破ったが、選手たちの心の中には達成感も生まれた。実際に2日前の13日の練習では、レギュラー陣の相手を務めるBチームの気の緩みを岩出監督が指摘。トップリーグからの連勝に目標設定していなかったことは反省材料となる。指揮官も「目指すところを高く上げれば、そういうこと(連勝)になる」と来年度は上方修正する考えを示した。

 大学選手権を6連覇し、トップリーグからも勝利した。岩出監督は「毎年、先輩に追い付け追い越せと言っているので、今年のチームが最強です」と話した後に「でも来年は抜かれます」と言い切った。流主将、プロップ森川、ロック小滝ら主力数人が卒業しても、尽きることのない向上心が学生最強軍団をまた強くさせる。 

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