宮原SP自己ベストで首位発進「ラッキー。思ったより点が出た」

[ 2015年2月14日 05:30 ]

女子SPで首位に立った宮原知子(AP)

フィギュアスケート四大陸選手権第2日

(2月13日 韓国・ソウル)
 昨年末の全日本選手権女子を制した宮原知子(16=関大高)が、ショートプログラム(SP)で64・84点の自己ベストをマークし、首位に立った。ジャンプなどの技術点で得点を稼ぎ、ソチ五輪4位のグレーシー・ゴールド(19=米国)に2・17点差をつけた。浅田真央(24=中京大)の休養を受け、文部科学省が有望な競技を支援する事業でフィギュア女子をCランクに格下げする中、新星が存在感を発揮した。本郷理華(18=愛知みずほ大瑞穂高)は61・28点の自己ベストで3位、永井優香(16=駒場学園高)は56・94点で7位だった。

 キスアンドクライに座った宮原は浜田コーチと手を握り合い、不安げな表情で得点を待った。冒頭の3回転ルッツ―3回転トーループが「回転不足を取られた」と案じていたから。だが、予感はいい意味で外れた。今季初戦だった昨年9月のロンバルディア杯以来、4試合ぶりにSPで大技が認定された。自己ベストを1・27点更新する64・84点。「ラッキー。思ったより点が出たのでうれしかった」と一転して喜びが湧いた。

 SP首位に導いたのはライバルを圧倒した技術点だ。ジャンプの成功はもちろん、3つのスピンで最高難度のレベル4を獲得して着実に得点を重ねた。ステップを含めた全ての要素で、ジャッジの加点を引き出す質の高さ。浜田コーチが特長に挙げる「真面目さ」を存分に発揮し、ソチ五輪4位のゴールドをSPで上回った。

 昨年12月の全日本選手権を初制覇。新女王として迎えた最初の試合でも、「自分の演技をすることだけを考えている」と気負いはなかった。演技直前の6分間練習では、滑っている途中でうつぶせに転倒するハプニング。「動揺しなかった」と言ってのけた16歳は、SP後の記者会見では、得意の英語で受け答えするなど、肝が据わった一面をのぞかせた。

 浜田コーチが「今どき珍しく、涙が出るくらい謙虚に練習する我慢強い子」と言うように、不断の努力で培ったスタミナには自信がある。「SPよりもフリーの方が得意。去年は2位になっているので、順位を上げられるように頑張りたい」と、宮原は15日のフリーに気合十分。シニアの主要国際大会初制覇で、初代表で臨む世界選手権(3月・上海)へ弾みをつける。

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