昌磨「びっくり」羽生超え自己新!史上最年少VへSP2位

[ 2015年2月13日 05:30 ]

男子SPで演技する宇野昌磨

フィギュアスケート四大陸選手権第1日

(2月12日 韓国・ソウル)
 男子ショートプログラム(SP)で、ジュニアが主戦場の宇野昌磨(17=中京大中京高)が、自己ベストを13・69点も更新する88・90点で2位につけた。シニアの主要国際大会デビュー戦の17歳は、史上最年少優勝へ好発進。世界歴代4位の97・61点をマークしたソチ五輪銅メダリストのデニス・テン(21=カザフスタン)が首位に立った。無良崇人(24=HIROTA)は84・88点で4位、村上大介(24=陽進堂)は82・86点で6位だった。

 りりしい表情で締めくくった宇野が次の瞬間、照れ笑いを浮かべながら乱れた髪を直した。ジュニアとは思えない2分50秒のパフォーマンスと、年齢通りのあどけなさが交錯する。「練習がとても悪かったので、自分でもびっくりするような演技だった」。自己ベストを13・69点も更新する88・90点は、同年齢シーズンの羽生結弦の最高点82・78点も超えた。シニアの主要国際大会デビューで、いきなり潜在能力の高さを見せつけた。

 ルールではジュニアのSPでの4回転は禁止されているが、シニアの今大会は果敢に挑戦。演技直前の6分間練習で4回転トーループが安定せず「無理かなあ」と弱気になりかけたが「攻めてクリーンに回す」と自らに言い聞かせた。見事に決めて気が抜けたのか、直後に「何にも引っかかってないのにふらふらしちゃった」とバランスを崩す場面も。それでも動揺は見せずに演じきり、表現力を示す演技点でも無良、村上を上回った。

 浅田真央に導かれたスケート人生だ。5歳の時、実家近くの名古屋スポーツセンターに遊びに行った際、当時、山田満知子コーチに師事していた浅田に声を掛けられ、スケートを勧められた。以降、山田コーチの指導を受けて成長。今季はジュニアGPファイナルを圧勝、全日本でも2位に入るなど18年平昌(ピョンチャン)五輪が視界に入ってきた。五輪開催国の韓国で行われている今大会は、世界にアピールする絶好の舞台だ。

 首位のテンとは8・71点差で、14日のフリーに臨む。17歳1カ月の宇野がソチ五輪銅メダリストを逆転して戴冠すれば、17歳11カ月で99年の第1回大会を制した本田武史の記録を塗り替え、史上最年少王者に輝く。「日本での練習からすれば、全部出し切れたわけじゃない」。4分30秒を完璧に演じた時、平昌の主役候補が誕生する。

 ◆宇野 昌磨(うの・しょうま)1997年(平9)12月17日、愛知県名古屋市出身の17歳。5歳でスケートを始め、09年に全日本ノービス選手権優勝。今季はジュニアグランプリファイナルをジュニア世界新となる合計238・27点で制し、全日本選手権では羽生に次ぐ2位に入った。1メートル59、48キロ。

 ▽宇野の得点 88.90点は世界歴代14位。これまでの自己ベストは今季のジュニアGPファイナルの75.21点だが、ルールで4回転は組み込めなかった。シニアの得点では国際連盟(ISU)非公認だが、昨年末の全日本で85.53点をマークしている。羽生は宇野と同じ年齢のシーズンではロシア杯の82.78点が最高だった。

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