関学大の業師・宇良「2年で関取に」得意の居反りで沸かせる

[ 2015年2月13日 05:30 ]

木瀬部屋に入門が決まり、相撲部員らに担がれ笑顔を見せる関学大の宇良

 1890年創部の関学大相撲部から初めて角界入りする宇良和輝(22=関学大4年)が12日、兵庫県西宮市で木瀬部屋入門会見を開き「2年で関取」の目標に掲げた。1メートル72の小兵ながら、その体格とレスリング経験を生かした独自のスタイルを確立。アクロバティックな「居反り」で注目を集める個性派がプロで活躍を誓う。

 小さな体には大きな夢が詰まっている。会見にはTVカメラ13台、25社100人もの報道陣が集結。会見直後に情報番組の生放送にも出演するなど、宇良に対する注目度は、学生横綱も顔負けだった。

 「目標は2年で関取に昇進すること」

 ここまでの競技人生を振り返りながら、言葉の意図を説明した。「“体が小さいから”と相撲で勝つことをあきらめたら何もできない。無理だと思っても努力、挑戦を続けていかないと結果は出ない」。大学2年までは基本に忠実な押し相撲を磨いた。転機は2年生だった12年8月の西日本学生個人体重別選手権。65キロ未満級で初戦敗退した。前回11年には同級で全国優勝しながら、この時は経験が浅い京大の1年生に押し倒されたという。「素人に負けて悔しかった。もう体重別にこだわるのはやめた。大きな相手に勝つのが相撲の醍醐味(だいごみ)」

 直後から無差別級へ転向。毎日5合半の白飯、卵やスパムでたんぱく質をとり、ウエートトレで増量に励んだ。同時に独自のスタイルも追求。徳俵まで下がって仕切る、立ち合い直後からバックステップを踏むなど「相手の予測できない動きで主導権を握る」ことに心を砕いた。中学時代に熱心に取り組んだレスリングの「飛行機投げ」を思い浮かべ、相撲の「居反り」を得意技にした。

 教育学部所属で教師を目指しながら、「自分から相撲を取ったら他には何も残らない。これ1本でいきたい」とプロ入りを決意。大相撲でも独自路線を貫けるのか、春場所は前相撲から熱く盛り上がる。

 ◆宇良 和輝(うら・かずき)1992年(平4)6月22日、大阪府寝屋川市出身。4歳で相撲を始める。中学時代は小3から始めたレスリングに力を注いだ。京都・鳥羽高から再び相撲中心となり、80キロ級の全国大会で2年時は3位、3年時は2位と活躍。推薦で関学大へ進学。体格は中学入学時に身長1メートル47、体重47キロ。高校入学時に1メートル52、53キロ。現在は1メートル72、107キロ。

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