錦織V3へ貫禄発進!第1S献上も…硬めガットで逆転ゲット

[ 2015年2月13日 05:30 ]

男子シングルス2回戦で競り勝ち、準々決勝に進んだ錦織圭

男子テニスメンフィス・オープン

(2月11日 米テネシー州メンフィス)
 世界ランキング5位で第1シードの錦織圭(25=日清食品)が、自身初の同一大会3連覇へ一歩を踏み出した。初戦の2回戦で世界ランキング165位のライアン・ハリソン(22=米国)に3―6、6―3、6―4で逆転勝ちしてベスト8入り。第1セットはショットのミスが目立ったが、第2セット以降は立て直した。13日の準々決勝では世界156位のオースティン・クライチェク(24=米国)と対戦する。

 全豪オープン以来となる約2週間ぶりの実戦。1時間57分に及んだ苦しい試合は、4度目のマッチポイントでどうにかケリをつけた。「こういう試合を勝つことも自信になるけど、次からはもっとレベルを上げていかないと」と錦織は自戒を込めて振り返った。

 出だしから低調だった。第1セットは第1サーブが48%止まり。その隙を突かれ、最初のサービスゲームをいきなりブレークされた。ストロークでもミスが目立ち、ブレークポイントさえ握れない。米フロリダ州のアカデミーで共に過ごしたことのあるハリソンは予選上がりの165位。圧倒的な格下に第1セットを落とすまさかの展開となった。

 球足の速い室内コートに合わせ、この日はラケットのガットを緩めに張っていたという。だが実際には感覚が合わずに「第1セットは捨てた」と言うほど四苦八苦。ガットの張力は同じ数値でも天気や気温によって変動する。前戦のオーストラリアとの気候の違い、大会ごとに使用するボールも異なり、飛び具合に影響してくる。

 それでも硬く張り替えたラケットを手にした第2セット以降はネットプレーでリズムをつくり、流れを取り戻した。ただし、第1サーブには最後まで課題が残った。第2セットも44%にとどまり、試合通算では52%の成功率。錦織も「サーブを少し修正しないといけない」と改善点に挙げた。

 試合前日には昨年に続いて、ツアーの代表として地元の小児病院への慰問も行った。ツアーの公式サイトでは「テニス以外のことを知るのもいい経験。子供たちが苦しんでいるのを見ると、自分も頑張らなきゃいけないと感じる」と感想を語った。トップ選手になればなるほど、そうした奉仕活動もこなしながら勝っていく責任も担う。

 準々決勝で対戦する24歳のクライチェクも、ハリソン同様に同じアカデミーの仲間だ。ジュニア時代にしのぎを削ったライバルの中で、今の錦織は挑戦を受ける立場に成長。「友達とプレーをするのは大変だけど、興味深い戦いになる」と旧友との連戦を楽しみにしている様子だった。

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