錦織効果で業績好調 加入件数過去最高 予約が通常の3倍 

[ 2015年1月31日 16:00 ]

 テニスの錦織圭の活躍で、関連する企業の業績や商品の売り上げが伸びている。各社は錦織の人気を、自社の売り上げや企業イメージの向上につなげようと趣向を凝らすほか、新たに広告に起用する会社も出てきた。

 有料放送のWOWOWは、2015年3月期連結決算の売上高予想を従来の715億円から、過去最高となる723億円に上方修正した。錦織が準優勝した全米オープンテニスを独占生中継するなど、テニス中継に力を入れており、錦織への注目度が高まったことが業績に直結した。

 14年12月末時点の加入件数は277万5000件となり、開局以来の過去最高を記録。テニスファンを増やして契約者を定着させようと、昨年末からテニスの選手名鑑や規則をまとめた冊子を希望者に無料配布している。

 関連商品も好調だ。スポーツ用品販売のアメアスポーツジャパン(東京)は、錦織が全豪オープンで使っているウイルソンブランドのラケットを2月に発売する。希望小売価格が4万円以上と高価だが「商品の予約が通常の3倍」(担当者)と予想外の売れ行きに驚く。

 ラケット製造大手のヨネックスも「新たにテニスを始める子ども用のラケットの売り上げが伸びている」と指摘する。

 錦織のメーンスポンサーの一つである日清食品は、1月から錦織が木刀でボールを打つ姿を映したCMを放映。「企業のブランドイメージ向上に貢献する」(広報)と期待を寄せる。直筆サイン入りのラケットが当たるキャンペーンを2月28日まで実施し、販売を伸ばしたい考えだ。

 アサヒビールも、3月に発売するノンアルコールのビール風味飲料のCMに、錦織を起用する。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主任研究員は「錦織選手を宣伝に起用することで、商品の競争力が上がり、売り上げを伸ばすきっかけとなる」と分析する。

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2015年1月31日のニュース