白鵬 ついに大鵬超え!史上最多33度目V

[ 2015年1月24日 05:30 ]

33回目の優勝を決めポーズをとる白鵬

大相撲初場所13日目

(1月23日 両国国技館)
 横綱・白鵬がただ一人13連勝とし大鵬を抜き単独史上最多の33度目の優勝を決めた。2敗の日馬富士が鶴竜との横綱対決で下手投げに屈し、結びで白鵬が2敗の大関稀勢の里を取り直しの末に押し倒した。白鵬は大鵬に続いて史上2人目となる2度目の5連覇。13日目の優勝決定は13年名古屋場所以来6度目で自身が持つ1場所15日制での最多記録を更新した。
【取組結果】

 相撲史に永遠に刻まれる結びの一番は取り直しとなった。最初の相撲で白鵬は右おっつけで一方的に寄ったが土俵際で稀勢の里の小手投げを食って同時に転倒。軍配は東の自身に上げられたが物言いがつき、しかも、俵で右太腿を強打するハプニングもあった。「攻めたので悪くても取り直しだろうと思った」。朝日山審判長(元大関・大受)から取り直しを告げられるとグッと歯を食いしばって力を込めた。

 迎えた取り直し。本人が「後の先」(立ち遅れたように見えながら自分の形をつくって先手を取る奥義)と認めたフワリとした立ち合いで左に回り込み一瞬相手に押し込まれて体が傾いた。だが、そこで踏ん張り直すと「ここで出よう」と入門から14年間の全てを込めたぶつかり稽古のような強烈な押しで一気に体重167キロの大関を土俵外まで持っていった。

 「千秋楽みたいでした。いい相撲で見応えがあったと思う。取り直しがあったこの33回目の優勝は楽ではなかった」

 大鵬を超えるV33を決めた土俵上。43本の懸賞(手取り129万円)を両手で受け取ると、打ち付けた右足を引きずりながら花道を引き揚げた。

 昨年12月中旬。13年1月に亡くなった大鵬さんのお墓参りに出掛けた。その際、大鵬さんの芳子夫人から厳しい口調で提言されたことが心に染みていた。「何に対しても横綱らしく頑張ってください」。先場所の取組では見苦しいダメ押しや館内に向かって振り上げるような懸賞の取り方が問題視された。芳子夫人は「言うべきか迷いましたが、お父さんの代わりに言えるのは私しかいません」と説明。白鵬は、ゆっくりうなずいた。

 今場所の前半は若手に熱くなる相撲が目立ち、5日目の勢戦と7日目の高安戦は相手の捨て身の技に体勢を崩しながら薄氷の勝利。だが、4年ぶりの天覧相撲を迎えた中日から心が落ち着いた。相撲を取るたびに安定感は増し、次女・美羽紗(みうしゃ)ちゃんの4歳の誕生日に優勝。モンゴルから両親も駆けつけた中で偉業を成し遂げた。

 62キロだった15歳で来日したが、どの部屋にも引き取り手がなく帰国寸前で宮城野親方に拾われた。稽古場では負け続け、ぶつかり稽古を40分以上続けた日も。悔し泣きは毎日だったがモンゴル相撲の大横綱・父ムンフバトさんの顔に泥を塗りたくない一心で「帰る」とだけは言わなかった。あれから14年。母国英雄の血を引く者としての誇りを胸に前人未到の境地にたどり着いた。「うれしいですよ。でも、まだ終わっていない」。14日目からは誰もが未体験の孤独な旅が始まる。現役を引退する日まで永遠に。

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