村山謙太 強い駒大証明へ“学生最速ランナー”が頂点に導く

[ 2015年1月1日 05:30 ]

駒大の7年ぶり総合優勝へ、カギを握るエースの村山謙太

 第91回箱根駅伝は2日午前8時に東京・大手町をスタートし、2日間にわたって神奈川県箱根町との往復10区間217・1キロで行われる。08年以来7年ぶり7度目の総合優勝を目指す駒大は“学生最速”の村山謙太(4年)が流れをつくる。出雲、全日本と合わせて史上4校目の3冠を狙った昨年は2位に終わったが、今年はエースが快走して頂点に導く。

 4年間の思いをたすきに込める。最後の箱根路は2区にエントリー。村山謙太は「区間記録や日本人最高記録を狙っていきたい」と力を込めた。4年間で出雲で1回、全日本で4回、頂点に立ったが、箱根駅伝での優勝は一度も経験していない。昨年は2区で区間記録を狙い、両足のけいれんに見舞われた。トップを守ったとはいえ区間は2位。2月の丸亀国際ハーフマラソンでは日本歴代3位、日本学生記録となる1時間0分50秒をマークしたが「箱根で勝たないと“強い”と認めてもらえない」と結果にこだわる。

 最上級生としての自覚も芽生えた。「今まではビッグマウスだったけど、少し謙虚になれたかな。周りも見られるようになった」。チームの大黒柱である中村主将が体調不良で夏合宿に参加できず、別調整だった時期も無料通話アプリ「LINE」で練習の内容を報告。チームの雰囲気づくりに努めた。中村は「戻りやすくしてくれた」とエースの心遣いに救われ、全日本大学駅伝では復活の走りを見せ、駒大の奪冠への土台が固まった。

 弟との戦いもある。弟の紘太(4年)は城西大のエースで、仁川(インチョン)アジア大会5000メートル代表。全日本では1区で直接対決し、同タイムでたすきを先に渡した兄・謙太が区間賞獲得となった。わずかな差に「紘太は(区間賞は本当は)俺が獲ったとずっと言ってくる」と苦笑い。2人で日本代表としてたすきをつないだ11月下旬の千葉国際駅伝では1区8位と出遅れ、紘太に「もっと欲を出して走ればいいのに」と言われた。「本気になってやろうという気になった」と吹っ切れた。その思いは箱根路にぶつける。

 今季は出雲駅伝が台風で中止となったが、駒大は全日本大学駅伝で4連覇を達成。「今まで箱根で勝てなかった。自分の最高の走りをして、箱根で優勝して監督を含め、感謝を伝えたい」と力を込める。村山の爆発が7年ぶりの総合優勝へ、原動力となるはずだ。

 ◆村山 謙太(むらやま・けんた)1993年(平5)2月23日、宮城県生まれの21歳。明成高卒。箱根は12年2区9位、13年5区8位、14年2区2位。1万メートルのベストは27分49秒94。14年2月の丸亀国際ハーフマラソンでは日本歴代3位、日本学生記録の1時間0分50秒をマーク。1メートル76、55キロ。

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