国立聖火台、20年東京五輪で再利用も 組織委が構想

[ 2014年12月31日 17:54 ]

 1964年東京五輪の象徴となった国立競技場(東京都新宿区)の聖火台を、2020年東京五輪・パラリンピックで再利用する構想があることが31日、分かった。大会組織委員会がメーンスタジアムとして建て替えられた後の新国立競技場に再び設置し、聖火をともす案が浮上している。

 聖火台は現在、宮城県石巻市に貸し出されている。実現すれば64年五輪のレガシー(遺産)を20年五輪に伝え、東日本大震災からの復興に寄与するという大会理念を表すシンボルになりそうだ。

 組織委の森喜朗会長は14年10月、「(聖火台に)再び火をともすことができれば日本の技術力、ものを大切にするという国民性を世界に示すことができる」などと発言。武藤敏郎事務総長も12月に「(20年五輪で)もう一度使うのはいいアイデア。いろんな意味を持つ」と前向きな姿勢を示した。

 埼玉県川口市の鋳物工場が制作した聖火台は今でも状態は良好という。組織委幹部は「まだ先のことだが、いずれ検討しなければいけない」と、利用方法や新競技場での設置場所などを将来的に協議する方針だ。

 高さ2・1メートル、重さ2・6トンの聖火台は、国立競技場の解体工事を前に、64年五輪の開会式から50年となった14年10月10日に撤去された。復興支援の意味を込めて石巻市に貸し出され、15年4月をめどに同市総合運動公園内に設置される。19年3月までに日本スポーツ振興センター(JSC)に返還され、現時点では新競技場に併設されるスポーツ博物館に収蔵される予定となっている。

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2014年12月31日のニュース