薫英 大阪勢初優勝!9度目挑戦でやっと…エース不調も一丸

[ 2014年12月22日 05:30 ]

初優勝を飾り、指を1番にしてゴールする大阪薫英女学院・加賀山恵奈

女子第26回全国高校駅伝

(12月21日 京都・西京極陸上競技場発着=女子5区間21・0975キロ)
 薫英女学院が男女通じて大阪勢初となる優勝を飾った。2区のエース・高松望ムセンビ(2年)が失速する誤算がありながらも、1区の嵯峨山佳菜未(1年)らの力走でカバー。過去最高位5位だった大阪の強豪校が、9年連続9回目の挑戦にして、ようやく悲願の頂点に立った。 

 絶対的エースの不調をはね返した薫英女学院がチームの総合力で初優勝を勝ち取った。

 「正直言って戦力には自信ありました。本命になっていなかったので平常心で臨めました」

 安田監督はしてやったりの笑みを浮かべる。初タイトルへの流れを作ったのが1区の1年生・嵯峨山だ。強豪校のライバルを次々とふるい落とし最後は常磐・岡本とデッドヒート。7秒差の2位でタスキを渡し、チームに勢いを呼び込んだ。

 必然の力走だった。夏場にケガで1カ月離脱しながら、その後に急成長。チームNo.1走者の高松望ムセンビと互角のトレーニングを繰り広げるほどになり、大会直前に最長区間に抜てきされた。東京五輪でのマラソン出場という高い目標を掲げる1年生は、初の都大路にも物怖(お)じする気配はまるでなし。「スタート前は緊張もなくて、この舞台で走れることが楽しみでした。チャンスはあると思っていたし思い切ってレースをしました」。強いメンタルで持てる力をフルに発揮した。

 その直後の2区では、区間新の期待もあった高松が区間6位にとどまる“誤算”。ケニア人の父を持ち、今年の南京ユース五輪3000メートルで金メダルを獲得した実力者はしかし、立命館宇治にかわされた瞬間に「とにかく粘って2番手で渡そう」と意識を転換し、踏ん張る。その思いに応えた4区の前田が区間最高の走りでトップに立ち、5区・加賀山恵が突き放して歓喜のゴールテープを切った。

 期待されながら8位に沈んだ昨年の悔しさを生かした形だ。「1区、2区で貯金があるやろうという甘い気持ちがみんなにあった。今年は4、5、6区に自信がありました。高松が勝てなくても周りがしっかりカバーできた」と安田監督は成長を実感した。来年は、今年の1、2区を走った2人にもさらなる伸びしろが見込まれる。大会史上4校目の連覇は現実的な目標となる。 

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