山の神野!青学大5区“3代目”降臨 箱根初Vキーマン

[ 2014年12月21日 05:30 ]

AOYAMAの「A」のラインで“トレインポーズ”を決める青学大の選手たち。(手前から)神野、久保田、一色、藤川、小椋

 「山の神野」が初Vのキーマンだ。第91回箱根駅伝(来年1月2、3日)で初の総合優勝を狙う青山学院大が相模原市内で練習を公開し、原晋監督(47)は山上りの5区に1メートル64の神野大地(3年)の起用を明言した。今年は2区6位と好走し、大学最高タイとなる5位に貢献。高校時代は無名ながら、エースに成長した神野が3代目“山の神”を目指す。

 総合優勝へ、切り札は小さなエースだ。原監督は「神野に柏原超えを目指してほしい。“山の神野”誕生を期待したい」と5区起用を明言。指名された本人も「3代目“山の神”になれるように頑張る。往路優勝のゴールテープを切れるようにしたい」と、今井正人(順大→トヨタ自動車九州)、柏原竜二(東洋大→富士通)に続く“神”となるべく抱負を述べた。

 身長1メートル64、体重43キロの小柄なランナーは「坂ダッシュは苦手」としながらも「5区は山の適性じゃなくて、キツイところでどれだけ粘れるかだと思っている」と胸を張る。試走では好タイムをマーク。11月中旬頃に指揮官から5区を言い渡された。今大会から5区はコース変更で、これまでの記録は参考記録となるが、「最初の5キロはゆったり入って、宮ノ下からが勝負」と後半勝負で柏原超えを狙う。

 中京大中京高時代は無名選手で、3年生で高校総体5000メートルに出場したものの予選落ち。大学入学時は体重39キロほどで、1年時の箱根路は1区の付き添い役、8、9区でタイム差を読み上げる裏方だった。しかし、コツコツと練習を積み、今年の箱根駅伝は“花の2区”に抜てき。区間6位とまずまずの箱根デビューを飾ったが「ただ他のエースと一緒に走るだけで勝負できなかった」と悔しさだけが残った。

 今季から同大学は、アディダス契約アドバイザーの中野ジェームズ修一トレーナーの指導で体幹などのコア・トレーニングを導入。軽量の神野は「ケツの穴を締めると(風に)飛ばされない」と強風下の走りにも自信をつけた。山上りが決まってからは、今年5区区間賞の東洋大の設楽啓太(現Honda)が走る映像を毎日見て、イメージを膨らませる。「往路優勝すれば、総合優勝も見えてくる」。今年は5位と健闘した青学大。初の総合優勝へ3代目“山の神”となる。

 ◆神野 大地(かみの・だいち)1993年(平5)9月13日、愛知県出身の21歳。神守中―中京大中京高。今年5月の関東学生選手権2部ハーフマラソン優勝。全日本大学駅伝は8区3位。自己ベストは1万メートルが28分41秒48、ハーフが1時間2分42秒。1メートル64、43キロ。血液型AB。

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