孔明64 悲願の賞金王へ単独首位発進「あと54ホール」

[ 2014年12月5日 05:30 ]

8番、藤田(右)が見つめる中、バンカーからの第2打を放つ小田

男子ゴルフツアー 日本シリーズJTカップ第1日

(12月4日 東京都稲城市 東京よみうりカントリークラブ=7023ヤード、パー70)
 悲願の賞金王へ、視界は良好だ。賞金ランキング1位の小田孔明(36=フリー)が1イーグル、4バーディーの64をマークし、6アンダーで首位発進した。後半から得意のアイアンショットがさえ、この日は全選手中ただ一人ボギーなしのラウンドだった。優勝すれば逆転賞金王の可能性があるランク2位の藤田寛之(45=葛城GC)は69で1アンダーの9位につけた。
【第1R成績】

 喉から手が出るほど欲しいタイトルにまた一歩近づいた。小田孔は64の大会自己ベストで首位に立ち「同組の2人(藤田、近藤)に一打でも多く勝ちたかった。最高でしょ。これ以上何を望むんだと思う」と声を弾ませた。

 出だしの1番で3メートルのバーディーチャンスを外すと、賞金王を争う同組の藤田は1、2番で連続バーディー。「初日から61で回るんじゃないかと思った。早く終わってくれ~」と我慢の展開にナーバスになりつつあった。それでも6番パー5で悪い流れを自ら断ち切った。残り231ヤードを4Wで手前23メートルに2オン。「寄せてバーディーのイメージ」でパターを構えたが、打った瞬間に「これは寄るな」と分かったという一打がカップインし、藤田とグータッチで喜びを分かち合った。「あれが入ってくれたのでその後も耐えていけた」と後半の爆発につなげた。

 13番で残り158ヤードの第2打を8Iで50センチにつけてバーディーとするなど、インの4バーディーは全て3メートル以内につけたもの。藤田が「13番からアイアンの雰囲気があってショットが安定していた。賞金王にふさわしいゴルフ」と褒めちぎれば、ランク3位の近藤も「賞金ランク1位というゴルフを見せつけられた」と脱帽だ。藤田の師匠である芹沢信雄も「プレッシャーもあるだろうけど、孔明は凄いね」と感心しきりだった。

 開幕前には「(賞金王は)人頼りですよ」と話していた。ランク4位の岩田までライバル3人が今大会で優勝を逃せば初戴冠が決まる状況に、キング争いに加わっていない松村に「(松村が)優勝したらご飯をごちそうしてあげるよ」と冗談めかして約束したという。それほど渇望する称号ということだ。「あと54ホールになったのでカウントしながら回りたい」と小田孔。この日のスタートダッシュを最高のハッピーエンドにつなげる。

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2014年12月5日のニュース