錦織、来季目標グランドスラム初V そして「5年以内に世界1位」

[ 2014年11月19日 05:30 ]

日本記者クラブで会見する錦織圭

 男子テニスの世界ランキング5位で今季を終えた錦織圭(24=日清食品)が18日、東京都千代田区の日本記者クラブで会見を行った。日本人初のトップ10入りや全米オープン準優勝、ツアー最終戦ベスト4など大きな飛躍を遂げた1年を約200人の記者の前で総括。来季に向けてはグランドスラム初優勝を目標に掲げ、さらに5年以内に世界ランク1位に上りつめることを公言した。

 準優勝は優勝ではなく、世界5位も1位になったのとは違う。「特に後半はどんどん結果が出て正直驚いている部分はある」と本人にも望外の出来だった今シーズン。しかし、成績も世界ランキングもまだ上があるからこそ次に目指すものは明確だった。

 来季の目標を問われた錦織はこう答えた。「今年以上の成績を残したい。グランドスラムやマスターズでも優勝を目指せる位置にいる。頑張りたい」。9月の全米オープンであと一歩に迫った4大大会初制覇。まずは1月の全豪オープンが最初のチャンスとなる。

 さらに将来的には世界1位の座を見据える。4大大会に勝つだけでなく、1年を通して高いパフォーマンスを維持することが必要な険しい道のり。「この調子で自分のテニスを磨いていけばチャンスはある。5年以内に入りたい」。今の錦織なら絵空事ではない。

 最終戦を終えて前日にロンドンから帰国したばかり。オフに入って表情はすこぶる柔らかかった。記者200人を前にした会見でも、当たり前のように大きな目標を語れるのは今季の成長があったからだ。「今年1年を漢字1文字で振り返って」という気の早い質問には、最初は「飛躍の“躍”」と回答。その後に「今年はテニスも変わって、自分もいろんな意味で変われた1年。“変”にします」と修正した。

 元世界2位のマイケル・チャン氏をコーチに迎え、テニスはより攻撃的なスタイルに変わった。世界ランクはアジア勢最高の5位。ツアーでの立場も一段と高くなってきた。大きく変化した今年を踏まえ、さらに進化していく来年へ。頂点を見据えて戦い続ける錦織にとっては、この躍進もまだ始まりにすぎない。

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