白鵬 大鵬に並ぶ通算872勝!連敗ご免「落ち着いて」豪風一蹴

[ 2014年11月16日 05:30 ]

<大相撲、九州場所・7日目>豪風を寄り切りで下した白鵬

大相撲九州場所7日目

(11月15日 福岡国際センター)
 大鵬に並ぶ32回目の優勝を狙う横綱・白鵬が歴代7位タイの通算872勝を挙げた。小結・豪風を寄り切って、まずは勝利数で大鵬に並んだ。8日目の照ノ富士戦に勝つか、鶴竜が敗れれば8年連続8回目の年間最多勝が決まる。大関・稀勢の里は宝富士を寄り切って1敗を守り、8日目は琴奨菊との大関対決を迎える。横綱・鶴竜は高安を押し出して全勝を守った。

 「心・技・体」の全てに優れた第一人者は立ち直りも早い。前日6日目に約2年ぶりの金星を配給した白鵬がその影響を感じさせない横綱相撲で再出発した。「まあ、気楽に落ち着いていけたのかな」と余裕の笑みを浮かべた。

 立ち合いは張った右で上手を取り、1メートル71の小兵でスピードが武器の豪風をつかまえた。前に出ながら左を差して寄り切り。今場所は力士から「土俵が滑る」との声が多く、白鵬も「(前日に続いて滑る感覚が)またありましたね。何だろうな」と首をかしげた。足元に違和感を覚えながらも、慎重な取り口で取りこぼさない。北の湖理事長(元横綱)は「そう簡単には星を落とさない。それが強さですよ」と抜群の安定感を評価した。

 この白星で大鵬に並ぶ歴代7位の通算872勝に到達。V32の前に、異なる記録で追いつき「よかった」と相好を崩した。8日目の照ノ富士戦で勝つか、鶴竜が敗れれば8年連続8回目の年間最多勝が決まる。こちらは北の湖の7回を抜いて歴代単独トップだ。

 再会を心待ちにしている少年がいる。50万人に1人の確率で発症する難病「拘束型心筋症」の治療で渡米し、今年7月に心臓移植手術を受けた水流添日向(つるぞえ・ひなた)君が今月25日に帰国する予定。白鵬は昨年11月に後援会のある鹿児島県霧島市を訪れた際に出会い、ブログで日向君の存在を紹介するなど支援してきた。今場所での偉業達成を話題にできれば、何よりの手土産だ。 

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