羽生の負傷競技続行で改めて見直されるJリーグ脳震盪時の指針

[ 2014年11月10日 20:33 ]

車いすに乗りマスク姿で空港ロビーに現れた羽生

 フィギュアスケートのGPシリーズ第3戦・中国杯で、ソチ五輪金メダリストの羽生結弦(ゆづる、19=ANA)がフリーの演技直前の練習で激突しながら出場したことについて、海外メディアも巻き込んで賛否両論となる中、インターネットを中心にJリーグの脳震盪に対する指針が見直されている。

 羽生は男子フリー直前の6分間練習で閻涵(エン・カン、18=中国)と正面衝突。氷に顔面を激しく打ち付け、頭と顎から流血。しばらく動けなかったが、「演技したい」と直訴して止血後に強行出場。ジャンプで5度も転倒しながら2位に入った。

 一般ファンのツイッターなどインターネット上では「感動した」という声が相次いだ一方で、詳細な検査を受けないまま演技したことに対して「危険極まりない」という指摘も。CBCスポーツ(カナダ)はAP通信の「Scary(恐ろしい)」という形容詞に対し「Nasty(不愉快な、荒々しい)」という表現を用い、NBC(米国)も映像付きでこの模様を報じた。

 Jリーグでは「ピッチ上で頭部外傷を被った可能性がある選手に対する対応」として、呼吸、循環動態のチェック、頸部の安静に注意し担架などでタッチラインへ移動させる、など適切な手順が決められている。

 その手順の中で脳震盪か否かの判断をし、脳震盪が疑われれば短時間のうちに回復しても、試合や練習から退くべきであり、受傷時に意識消失などがあれば病院へ搬送することが望ましいと明記。さらに復帰へのプログラムも具体的なメニューを提示し、競技復帰まで最低5日は置くべきとしている。

 日本サッカー協会の公式サイト内に設けられた同指針のページが、9日頃からSNS上で広くシェアされ、「サッカーだったら 脳震盪起こした選手の出場を美談にしたり根性論にしたりしないと思います」「頭を打っている選手は、運営側が止めてあげないと。その競技の連盟・協会は、統一した指針を作るべきでは」など、選手を守るためのルール作りを求めるツイートも見られた。

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2014年11月10日のニュース