羽生、王者の舞きょうこそ!超高難度フリーで逆転V狙う

[ 2014年11月8日 05:30 ]

男子SPの演技を終え、悔しがる羽生結弦

フィギュアスケートGPシリーズ第3戦・中国杯第1日

(11月7日 中国・上海)
 “氷上のプリンス”がまさかの2位発進だ。男子ショートプログラム(SP)でソチ五輪金メダリストの羽生結弦(ゆづる、19=ANA)が82・95点。今季初戦で演技後半に組み込んだ4回転トーループが3回転になり、3―3回転の連続ジャンプでもミスが出た。首位は85・96点のマキシム・コフトゥン(19=ロシア)で、田中刑事(19=倉敷芸術科学大)は56・82点で最下位の11位。女子SPの村上佳菜子(20=中京大)は、60・44点で3位だった。

 誰もが予想できない2分50秒だった。演技を終えた羽生の表情がさえない。基礎点が1・1倍になる演技後半に組み込んだ4回転トーループが3回転になると、3回転ルッツ―3回転トーループの連続ジャンプはルッツの単発になった。得点はソチ五輪で出した101・45点の自己ベストに遠く及ばない82・95点で2位。かつてないほど大粒の汗を滴らせ、自嘲気味に笑った。

 「もう最悪のひと言。ひどかったです。ちょっとっていうか、かなり悔しい。こんなんでよく2位になったな」

 今季SPはショパンの「バラード第1番」。史上初の100点超えをマークするなど、過去2季にわたって使用した「パリの散歩道」のエレキギターのサウンドから、ピアノ曲へ雰囲気は一変した。「ゆったりした曲の中で、どれだけメリハリをつけられるか」。静と動を巧みに使い分けるはずだったが、ジャンプのミスが大きく響き、サルコーとトーループの2種類の4回転を決めたコフトゥンに及ばなかった。

 ソチ五輪から約9カ月。06年トリノを制したプルシェンコ、10年バンクーバー王者のライサチェクは五輪の翌シーズンは試合に出ていない。大一番を終えて休養するスケーターも多いが、羽生は違う。今季は最大目標の18年平昌(ピョンチャン)五輪に向けたスタートのシーズン。「五輪王者らしい結果と演技をしっかり印象付けたい」。金メダリストとしての強すぎる責任感が、この日は19歳の体から本来の切れを奪った。

 今季初戦に予定していた10月のフィンランディア杯を「筋筋膜性腰痛症」で欠場。腰痛はジュニア時代からの古傷で、ソチ五輪前にも痛めていた。羽生は影響を否定したが、今も患部の状態は決して良くない。関係者は「これまでは多少の痛みでも出場したが、10月のフィンランディア杯は初めての欠場だった」と、急ピッチで今大会にこぎ着けたことを明かした。トレーナーも急きょ日本から上海に呼んでいた。

 8日のフリーでは、今季解禁されたボーカル入りの「オペラ座の怪人」を演じる。前半にサルコーとトーループ、後半にトーループと計3度の4回転を跳ぶ超高難度の構成だ。コフトゥンとは3・01点差。「挑戦している限り(王者になっても)モチベーションは下がっていない。コーチ(オーサー氏)の名前を汚す演技をしてしまった。このままじゃ帰れない」。完璧なファントムを演じきっての逆転戴冠が、五輪連覇への号砲になる。

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