香妻、日本人トップ4位発進「1つでも上に行けるように」

[ 2014年11月8日 05:30 ]

18番、ティーショットの方向を見つめる香妻

USLPGAツアー 2014ミズノクラシック~伊勢志摩~第1日

(11月7日 三重県志摩市 近鉄賢島カンツリークラブ=6506ヤード、パー72)
 初出場の香妻琴乃(22=サマンサタバサ)が日本人最上位の4位発進だ。米ツアーの強豪に交じって5バーディー、2ボギーの69をマークし、首位に2打差。目標とする横峯さくら(28=エプソン)の70を上回る好スタートを切った。ローラ・デービース(51=英国)は68を出し2位発進。ギネス世界記録に認定されている岡田美智子の50歳312日を超える51歳35日の最年長Vを狙う。モーガン・プレッセル(26=米国)が67で単独首位に立った。
【第1R成績】

 1メートル57、51キロとゴルファーとしては細身の香妻だが、最大瞬間風速9メートルの強風に吹き飛ばされるどころか、逆に立ち向かっていった。初出場ながら日本人最上位の4位。「前半はチャンスをほとんど外して我慢という感じだった。でも序盤にスコアを崩してもバーディーが取れるという気持ちが強くなった」。1番パー5は第1打を曲げて寄らず入らずのボギー発進だったが、たくましくなった22歳は不屈だった。

 7番パー5で2オンしてバーディーを奪いイーブンとすると、ギアを入れたのは後半だ。12、15番で5メートルのバーディーパットを入れるなど安定しているパットで4バーディー。前の組のデービースのプレーは「ギャラリーになって見てしまった」と初々しさを見せながら、自分の一打には集中。メリハリあるプレーで合格点の69を出した。

 「“姉”に追いつけ、弟に負けるな」がモットーだ。父・尚樹さん(50)が横峯さくらの父・良郎氏と知り合いだった縁で、さくらの原点でもある鹿児島県内のゴルフアカデミー「めだかクラブ」で3歳からゴルフを始めた。幼い時からいつもそばにいて遊んだり、一緒に練習したり面倒を見てもらったのが7学年上の横峯だ。「さくら姉ちゃんは目標。いつか超えたいと思ってるけど、プロで何勝もしているし予選落ちもしないし…。無理だろうなあ」。存在の大きさを実感する。

 一方、弟の陣一朗に対しては強烈なライバル心を燃やす。くしくもこの日、弟も首位と2打差の好位置に浮上。「ジンのことだからこの後が…」と心配しつつ「成績を見ると絶対負けないぞって思います」と姉としてのプライドをのぞかせた。

 既に3100万円を稼ぎ、初の賞金シードは確定させたが、シーズン前からの目標は優勝だ。米ツアーとの共催でもそこはぶれない。「まずはあした、1つでも上に行けるように」。小悪魔メークで人気先行だったのは昔の話。強くて可愛い琴乃が最後まで主役を担う。

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