冨田が弁明会見 第一声で窃盗否定「僕はカメラを盗んでいません」

[ 2014年11月6日 13:55 ]

会見中に涙を浮かべる冨田

 今年9月に仁川アジア大会でカメラを盗んだとして略式起訴処分を受けた競泳男子平泳ぎの冨田尚弥(25)が6日、名古屋市内で弁明会見を行った。

 会見がスタートしてから、約1時間。代理人の国田武二郎弁護士が事件の経緯、冨田の潔白などを資料を読みながら熱弁。その間、資料に見入り、視線を落としていたスーツ姿の冨田が午後2時11分、ついに口を開いた。

 「はっきりと宣言していただけますか?カメラを盗んだんでしょうか、盗んでいないんでしょうか」と問われ、第一声は「僕はカメラを盗んでいません」。「はっきりと誓えますか?」と聞かれると「はい」と無実を訴えた。

 冨田は5日、窃盗行為を否定。大会中の9月25日にプールサイドで練習を見ていた際に「後ろから左手をつかまれ、バッグから手を離して振り払った時に変なものを入れられた」と説明。問題の人物は「濃い緑色のズボンをはいたアジア風の男。40歳前後」と語った。韓国警察の事情聴取で容疑を認めた理由は「認めれば刑は軽くなるし、大ごとにはならない」と言われたからと説明した。

 ◆冨田 尚弥(とみた・なおや)1989年(平元)4月22日、愛知県東海市出身の25歳。豊川高、中京大を経てチームアリーナ入り。2010年広州アジア大会男子200メートル平泳ぎで金メダルを獲得。11年の国際大会代表選考会では北島康介を破り、同年の世界ランク1位の2分8秒25をマーク。12年ロンドン五輪は出場を逃した。1メートル74、74キロ。

 【冨田をめぐる経過】

 ▼9・25 文鶴水泳場のプールサイドの記者席から記者が離れた隙にカメラのレンズを外し、本体を盗む(本人は否定)
 ▼9・26 韓国警察が事情聴取
 ▼9・27 規律違反があったとして日本選手団から追放
 ▼9・27 日本選手団の青木剛団長、所属のデサントが謝罪
 ▼9・29 仁川地検が罰金100万ウォン(約10万円)の略式起訴処分
 ▼9・30 選手村を離れる
 ▼9・30 日本オリンピック委員会(JOC)橋本聖子選手強化本部長が謝罪
 ▼10・1 金浦空港で謝罪、帰国「やってない」発言
 ▼10・1 所属のデサントが謹慎処分
 ▼10・3 日本水泳連盟の鈴木大地会長が謝罪
 ▼10・7 所属のデサントが解雇処分
 ▼10・30 日本水泳連盟が1年5カ月の登録停止処分決定
 ▼10・30 旧所属のデサント社長が謝罪
 ▼11・6 弁明会見

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