逸ノ城、初まげ異例の“公開結い” 昭和以降最速5場所で関脇に

[ 2014年10月28日 05:30 ]

鏡でまげを確かめ、笑顔をみせる新関脇逸ノ城

 日本相撲協会は27日、大相撲九州場所(11月9日初日、福岡国際センター)の新番付を発表し、新入幕だった9月の秋場所で13勝と活躍した逸ノ城(21=湊部屋)が一気に11枚上がって新三役となり、西関脇に座った。幕下付け出しデビューから所要5場所の新三役と新関脇は昭和以降最速。この日、福岡県古賀市の湊部屋宿舎でちょんまげを初披露した“モンゴルの怪物”は先場所とは違って真っ向勝負で上位に挑むことを誓った。

【九州場所番付表】

 入門からたった1年で小結を通り越して一気に関脇にジャンプアップした逸ノ城への注目度は増すばかりで、この日も報道陣約60人と映像カメラ8台が取り囲んだ。会見に先立っては異例の“公開初まげ結い”が行われ、床山が6分半をかけて丁寧にちょんまげを完成。ざんばら髪を卒業した21歳は「お相撲さんになったような気持ち。結構、いい感じ」とモンゴルの遊牧民らしく純朴な笑みを浮かべた。

 九州場所に向け、心は決まっている。目標はあくまでも「勝ち越し」であり、将来的な大関獲りへの意識についても「考えていない」と言う。だが、自身の相撲については「変化とかはなしに真っすぐ当たっていく」と誓った。先場所は13勝を挙げて新入幕Vまであと一歩まで迫ったが、鶴竜戦と稀勢の里戦は立ち合い変化で勝利。師匠の湊親方(元幕内・湊富士)は「新入幕だったら(変化を)やってもいい。若いから」と度胸を評価したものの「横綱大関が2場所連続で食わない。思い切っていけと言う」と今場所は真っ向勝負を貫かせることを約束した。

 ストレスによる帯状疱疹(ほうしん)で秋巡業を休場して16日から1週間入院したが「九州に来てもつ鍋を食べた」とすっかり回復した。医師の免許を持つ湊部屋おかみ・三浦真さんは入院中の様子について「体が大きいから内服薬はとんでもない量になるので飲めない。2~3時間の点滴を毎日3回打っていた」と説明。その間、食いしん坊の逸ノ城のために毎日病室までパンや肉などの食料を届け、199キロの体格を維持させた。

 今後は積極的に出稽古を行って横綱大関とも胸を合わせる予定。果たして怪物にとって上位の壁は存在するのか――。真価が問われる1カ月が始まる。

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