町田、連覇!ライバル羽生に挑戦状「勝負を受けてやる」

[ 2014年10月27日 05:30 ]

2連覇した町田樹のフリー(AP)

フィギュアGPシリーズ第1戦 スケートアメリカ第2日

(10月25日 米イリノイ州シカゴ)
 圧勝で王者に挑戦状を叩きつけた。男子フリーが行われ、町田樹(たつき、24=関大)がベートーベンの「交響曲第9番」に乗って、1位の175・70点をマーク。合計269・09点で連覇してGPシリーズ4勝目を挙げ、ソチ五輪、世界選手権を制した羽生結弦(ゆづる、19=ANA)らライバルへ熱いメッセージを送った。女子SPの今井遥(21=新潟県連盟)は53・79点の8位と出遅れた。

 全力を注いだ「交響曲第9番」を終えると、観客が総立ちで迎えた。2位に34・92点差をつける圧勝で連覇達成。ファンに演技でメッセージを届けた町田は、いずれ激突する羽生らに独特の口調で語りかけた。「ボールを投げることができた。羽生選手らがどう打ち返し、僕に投げ返してくるのか。勝負を受けてやるという強い思いがある」。手応え十分の好演技が挑戦状代わりだった。

 全ての種目でボーカル入り音楽が使用可能になった今季、満を持してフリーに「第9」を投入。演技冒頭、約20秒の長い静寂から4回転、4回転―2回転、3回転半―3回転と高難度のジャンプを決めて流れをつかみ、ベートーベンの世界に引き込んだ。「過酷だったが、歓声で全てが報われた。今の時点の100%。満足している」と喜びをかみしめた。

 人々の想像を超える演技を目指し「全く遊びのない」構成に仕立てたという。体力を消耗した後半は得点源の3回転半を2回転半に抑え、3回転フリップの着氷では手をつくミスで3連続ジャンプにできなかった。「後半は倒れそうだった。完璧に自分との闘い」。技術点も演技点もトップだったが「まだ伸びしろがある。軽く20点ぐらいは上がる」と言い切った。

 次戦は11月21日開幕のフランス杯。中国杯とNHK杯に出場する羽生とは、12月のファイナルでの激突が濃厚だ。熱いバトルを望む24歳だが、今大会はまだ終わっていない。26日のエキシビション。「イースト・オブ・エデン(エデンの東)のセレブレーション・バージョンを用意している。昨季のSPと思いきや、いい意味で裏切ると思うんで」。高橋大輔さんが引退、浅田真央が休養する今季、氷上は“町田ワールド”に染まる。

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