肩すかし逸ノ城…鶴竜の連日かわいがりに“悲鳴”稽古回避

[ 2014年10月14日 05:30 ]

3日連続で横綱・鶴竜とぶつかり稽古を行った逸ノ城

 大相撲の高岡巡業が13日、富山・高岡市民体育館で行われ、秋場所で新入幕ながら13勝を挙げた逸ノ城(21=湊部屋)が土俵上での稽古を回避した。10日から始まった秋巡業では前日まで3日連続で横綱・鶴竜(29=井筒部屋)からぶつかり稽古で胸を出されたこともあり、腰と右膝に痛みが発症。それでも稽古後の支度部屋では、自らの故郷モンゴルでの遊牧民としての暮らしを語るなど“怪物の強心臓ぶり”は健在だった。

 関取衆が土俵上で稽古をする中で逸ノ城の姿が見当たらない。秋巡業初日から3日連続で胸を出した鶴竜も土俵の脇できょろきょろと見回したが、やはりいない。その原因は連日の稽古によって右膝と腰が悲鳴を上げたため。早朝に少しだけ姿を見せて早々と支度部屋に引き揚げた“怪物”は「腰とか膝とかが痛かった。そこまで重いものではない」と正直に打ち明けた。その一方で「横綱(鶴竜)は誰に胸を出したのですか?」と記者に逆質問するなどバツが悪そうな表情も見せた。

 秋巡業中は連日、逸ノ城に稽古をつける方針を示していた鶴竜は思わぬ肩透かしを食らい「(4日後再開の秦野巡業まで)持ち越し」と残念そう。怪物の“休講”について尾車巡業部長(元大関・琴風)は「毎日稽古していたし、疲れている。そういう時に休むことは当たり前」と理解を示した一方で、人気の遠藤もファンサービスに駆り出され、稽古場に不在だっただけに「逸ノ城と遠藤がいなければみんないない気がする。それだけ存在感があるということ」と寂しげな様子だった。

 それでも先場所、鶴竜と稀勢の里を立ち合いの変化で破るなど、数々の強心臓ぶりを発揮している逸ノ城。報道陣から故郷の天候の話題を振られると「モンゴルは台風はないけど大雨は降る。雨が降っても傘を差さずにゲルから出て羊の世話をした」などと冗舌に遊牧民族としての生活を振り返った。

 午後の取組前には九州場所(11月9日初日、福岡国際センター)の前に発売される月刊雑誌「相撲」の表紙の写真を撮影。史上1位の優勝32回を目指す白鵬と並んでいるショットとなる予定で、あらためて注目度の高さをうかがわせた。 

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