体操ニッポンに新伝説!内村、監物超え日本人最多16個目メダル

[ 2014年10月13日 05:30 ]

)鉄棒で銀メダル!日本人単独最多の世界選手権メダル獲得「16」となった内村は演技を終え、声援に応える(AP)

体操世界選手権最終日

(10月12日 中国・南寧)
 体操ニッポンに新伝説が誕生した。種目別決勝の鉄棒で、個人総合5連覇の内村航平(25=コナミ)が15・725点で銀メダルを獲得。世界選手権のメダル総数を16(金7、銀5、銅4)とし、監物永三(金7、銀5、銅3)の15を抜いて日本人単独最多に躍り出た。万能キングは帰国後、15日に地元の長崎国体で凱旋演技を披露する。平行棒で加藤凌平(21=順大)が銅メダル、跳馬の白井健三(18=岸根高)は4位だった。

 総合力で戦ってきた万能キングが、今大会18種目目で初めてスペシャリストに姿を変えた。種目別決勝の鉄棒で挑んだのは未知の構成。これまで一度も試したことがなかったが、内村は予選から一気にDスコア(演技価値点)を0・3点も上げた演技をきっちりと完遂した。鉄棒に特化した選手がしのぎを削る最高峰の戦いで銀メダル。頂点には届かなかったが、世界選手権のメダル数を16とし、体操ニッポンに新たな歴史を刻んだ。

 「ぶっつけ本番の構成を成功したことが収穫。(メダルは)そんなに獲ったのかという感じ」

 最大の見せ場は、ダイナミックな離れ技の連続だ。G難度「カッシーナ」で宙を舞ってバーをつかむと、続けざまにF難度「コールマン」を成功。組み合わせの加点を稼いだだけでなく、観客や審判員の心もつかんだ。離れ技の「リューキン」を予定した場面では直前の技で姿勢が流れたと察知し、ひねりを1回減らした「伸身トカチェフ」にとっさに修正。瞬時の決断に「いい判断」と、どや顔を見せた。

 6年後のTOKYOへ、確かな手応えをつかんだ。16年リオデジャネイロ五輪はもちろん個人総合の連覇を狙うが、31歳で迎える20年東京五輪は違う。「6種目は厳しいかもしれない」と胸の内を明かし、「床運動と鉄棒で頑張りたい」と話している。前日(11日)の種目別決勝の床運動には出場できなかったが、個人総合決勝の同種目でマークした15・766点は、種目別の金メダリストを上回るスコア。この日の鉄棒でも、スペシャリストとして戦えるポテンシャルを見せつけた。

 一番欲しかった団体総合の金メダルには届かなかったが、個人総合で5連覇を達成し、メダル総数でも日本のトップに躍り出た。「全種目をノーミスで終えられて良かった」。戦いはまだ続く。中2日の超過密スケジュールだが、15日の長崎国体・成年決勝に出場。「タフさが売りなんでね」。地元での凱旋演技で、万能キングが黄金の輝きを見せつける。

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