4冠萩野“北島の道”MVP!リオ&東京での連続金見えた

[ 2014年10月5日 05:30 ]

<閉会式>大会MVPに選ばれ笑顔でトロフィーを掲げる萩野

 “北島ロード”で夢舞台の金メダルが見えた。記者投票によるアジア大会の最優秀選手(MVP)に、競泳男子4冠の萩野公介(20=東洋大)が選ばれた。日本勢の受賞は今大会と同じ韓国開催だった02年釜山大会の北島康介以来。北島は同大会をステップに04年アテネ、08年北京五輪で2大会連続平泳ぎ2冠を達成した。仁川市内のメーンプレスセンターで会見した万能スイマーも、16年リオデジャネイロ、20年東京五輪で世界一を狙う。この日は閉会式が行われ、16日間の熱戦の幕が閉じた。

 目指す世界の頂へ、これ以上ない吉報だった。日本勢では、02年釜山大会男子200メートル平泳ぎで世界記録をマークした北島以来のMVP受賞。風格すら漂わせて会見に臨んだ萩野は「北島さんも釜山の経験を経て五輪で金メダルを獲得した。自分も五輪の金メダルが目標。北島さんのようにみんなから慕われ、尊敬される選手になりたい」と力強く語った。アジアMVPでリオ、東京での戴冠がはっきり見えた。

 400メートル自由形の五輪王者、孫楊(中国)と朴泰桓(韓国)を200メートルで撃破するなど4冠。鮮烈な印象を残し、約1600人の記者が行った投票でトップの票を得た。競泳男子の冨田が韓国メディアのカメラを窃盗する事件が発生したが、日本選手団幹部は「投票に影響はなかったんじゃないか。それはそれ、これはこれ、ということで」と説明。27日に一度帰国した萩野は、この日の朝の便で韓国に移動した。

 賞金5万ドル(約550万円)もゲット。「貯金して蓄えたい」と私生活は堅実な20歳だが、今オフ、競技では冒険に出る。ロンドン五輪後から希望を持っていた、単身海外修業を実行に移す予定だ。大学の冬休みなどを利用して英国に滞在し、トレーニングだけでなく語学力向上にもチャレンジ。この日の会見は日本語で答えたが、いずれ出席する五輪のメダリスト会見では、英語での質疑応答を望んでいる。

 今大会は出場全7種目でメダルを獲得したが、来年はいよいよ五輪出場種目の絞り込みに着手する。そしてリオ、東京へ。「どんな結果を残せるか分からないけど、今よりも実力が上がっているのは間違いない。その時の満足いく結果を残したい。もちろん、世界記録を目指して頑張りたい」。無限の可能性を秘めた万能スイマーが、黄金の未来へ突き進む。 

 ▽萩野の今大会 競泳初日の男子200メートル自由形で1分45秒23の日本新をマークして金メダル。30分後の100メートル背泳ぎで銅メダル。2日目は200メートル個人メドレーと800メートルリレーで金メダル。3日目は400メートル自由形で銀メダル、4日目は400メートル個人メドレーで金メダル、5日目は200メートル背泳ぎで銅メダル。金4銀1銅2の好成績だった。

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