錦織“凱旋フィーバー”初戦から9000人超!異例センターC使用

[ 2014年10月1日 05:30 ]

力強いリターンを見せる錦織

男子テニス楽天ジャパン・オープン第2日

(9月30日 東京・有明テニスの森公園)
“錦織ショー”が始まった。内山靖崇(22=北日本物産)と組んでダブルス1回戦に登場した錦織圭(24=日清食品)は、マリウシュ・フィルステンブルグ(34=ポーランド)、トレト・ユーイ(29=フィリピン)組を6―2、6―4で下し2回戦に駒を進めた。全米オープン準優勝、今大会直前のマレーシア・オープンで優勝しての“凱旋試合”。詰め掛けたファンの前で世界の技を見せつけた。1日はシングルス1回戦でイワン・ドディグ(29=クロアチア)と対戦する。

 有明コロシアムのセンターコートに大きな拍手が響いた。平日の午前中とは思えない熱気。既に7割以上も埋まったスタンドから視線を一身に集めたのが錦織だ。正確なボレーやバックハンドのリターンエースが決まる度に大歓声。声援に快勝で応えた錦織は「僕にとっての初日から、たくさんのお客さんの前でできて光栄」と感謝した。

 ダブルスでは錦織が世界ランク542位、内山が212位でコンビを組むのは2月のデ杯以来。一方、相手のフィルステンブルグは43位、ユーイが41位と格上で、2人合わせてツアー19勝のスペシャリストだった。それでも世界一を狙えるところにまで来た男の勢いはとどまるところを知らない。「2人とも良いプレーができた。特にリターンが良かった」と錦織。内山も「相手が僕のサイドでポイントを稼ぎにくるので思い切って(僕が)プレーすることがキーになると思っていた」と強気に攻めてわずか56分で勝利をもぎ取った。

 まさに錦織のための大会だ。凱旋試合を一目見ようと会場には午前9時半の開場時に約500人の長蛇の列ができたほど。火曜開催ながら入場者数は昨年より663人増えて9494人となった。9000人を超えたのはナダル(スペイン)や錦織がシングルスで登場した11年(1万324人)以来だが、この日はダブルスでこれだけを集めた。

 フィーバーぶりに日本テニス協会も舞台を整えた。ATPと交渉し、錦織のダブルス1回戦をセンターコート第1試合にマッチメークする異例の対応をとった。今季からATPはツアーのセンターコートでの全試合を有料でネット配信しているが、ダブルスでは放映権収入が見込めないため反発。しかし、1番コートなどでは約1300人しか収容できないとあって、1万人を収容できるセンターコートを譲らなかった。1日には全米オープンシングルス準優勝の特別表彰が行われ、功労金500万円が授与される。過去の4大大会に出場した日本選手も駆け付ける予定となっている。

 錦織は9月8日の全米オープン準優勝から「5セット7試合をして、体も傷ついていた」と約1週間は軽めのメニューで休養。前戦のマレーシア・オープンでは試合と練習とを並行させて体づくりに努め「体調は問題ない」と自信をのぞかせる。2週連続優勝のかかるシングルスに向けては「気持ちの準備。先週も優勝しているのでプレーはついてくる。自信を持ってこの有明でプレーしたい」。錦織一色に彩られる今週。グランドフィナーレはもちろん自らの凱旋Vで締めくくる。

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