【仁川からの風】アジア大会 ローテク水着の妙味

[ 2014年9月29日 09:13 ]

 進み過ぎた歩みは、時として反動を招く。水力で始まった発電はその後火力、原子力と進歩したが、日本の現状はご承知の通りだ。

 競泳用水着でも同じ現象がみられる。2000年シドニー五輪の頃は全身を覆って抵抗を減らす全身水着。08年北京五輪では英スピード社の「レーザー・レーサー」が席巻し高速水着の時代を迎え、新記録が続出した。だが、水着の性能に大きく頼っているとして10年から禁止に。あれから4年。今大会の世界新記録はなかったがアジア新記録が三つ樹立された。人類がようやく水着に追い付いた。

 ところで、練習用水着は特に規制がなく、男子がピンクの水着をつけるなど派手だ。ある選手は「僕はブーメランパンツ派。抵抗のある水着の方が、試合になった時に速く感じる」。“ローテク”が生み出す勝負の妙か。(芳賀竜也)

続きを表示

2014年9月29日のニュース