白鵬 31度目V王手!逸ノ城に貫禄勝ち 1敗対決制した

[ 2014年9月28日 05:30 ]

逸ノ城(左)を上手出し投げで下し1敗を守った白鵬

大相撲秋場所14日目

(9月27日 両国国技館)
 横綱・白鵬が同じモンゴル出身の新入幕・逸ノ城との1敗対決を制し、再び単独首位に立った。前日の13日目に豪栄道に完敗したものの、一夜で気持ちを切り替え、100年ぶりの新入幕優勝を狙った“モンゴルの怪物”の快進撃をストップさせた。28日の千秋楽で横綱・鶴竜に勝てば、千代の富士に並んで史上2位となる31度目の優勝が決まる。

 これが優勝30回を重ねてきた貫禄だ。白鵬は快進撃を続ける逸ノ城を相手に立ち合いで右差し左上手の形を完成。自身より42キロも重い199キロの新入幕力士より腰の割りは深く、膝もよく曲がって体勢は低い。相手に上手を与えないまま最後は華麗に左から出し投げ。8歳年下との1敗対決を制し、支度部屋では「いい壁になるという緊張感はありました。横綱大関を倒してきたし、それなりに重さがあった。来場所も活躍してもらいたい」と余裕の表情だった。

 この日は朝稽古を行わず休養。午前10時に東京都墨田区の宮城野部屋に現れたが、玄関の扉を完全に閉めて厳戒態勢を敷くなどピリピリムードを漂わせた。前日に鶴竜を変化で破ったざんばら髪の大物新人との初対戦。白鵬は自らを「金の扉」と自負するだけに、賜杯を簡単に渡すことは何が何でもしたくなかった。

 2人の出会いは逸ノ城がまだ高校生だった頃。鳥取城北高に出向いた際に丸刈り姿の巨体を見て「こんな大きなモンゴル人はいない」と衝撃を受けた。師匠の宮城野親方(元幕内・竹葉山)は「入る前から“俺を抜くのはこの子じゃないか”と言っていた」と証言。昨年11月には湊部屋に入門した逸ノ城と出稽古先で遭遇し「体が大きいんだから頑張れ」と激励した。一方で今場所前には稽古場で13戦全勝と圧倒するなど、迎え撃つ準備は万端だった。

 これで平幕相手には78連勝で、10場所連続で誰にも金星を与えていない。北の湖理事長(元横綱)が「90%以上白鵬が優勝」と占う千秋楽結びで鶴竜に勝てば31度目の優勝が決定する。「まあ、一生懸命やります」。一世紀ぶりの新入幕Vという珍事を起こさないのが、横綱の仕事であると分かっている。

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2014年9月28日のニュース