昨季日本OP覇者の小林トンネル抜けた!今季初の予選突破

[ 2014年9月27日 05:30 ]

今年初の予選通過した小林正則は11月出産予定の麻理子夫人のお腹に手をあて笑顔をみせる

男子ゴルフツアー アジアパシフィック・オープン・ダイヤモンド・カップ第2日

(9月26日 茨城県坂東市 大利根カントリークラブ西コース=7117ヤード、パー71)
 30位で出た小林正則(38=ミュゼグループ)が2バーディーの69で、通算2アンダーに伸ばし、首位と3打差の9位に浮上した。今季初の60台をマークし、シーズン15戦目にして初めて予選を突破。11月19日に誕生予定の第1子のためにも、さらなるチャージで優勝を目指す。70で回った石川遼(23=CASIO)は通算イーブンパーの27位。アダム・ブランド(32=オーストラリア)が通算5アンダーで首位に立った。

 最終18番。小林が3メートルのバーディーパットを沈めて2アンダーに伸ばすと、ギャラリースタンドの脇で見守っていた妊娠中の麻理子夫人が手を叩いて喜んだ。国内ツアー、今季22ラウンド目で初の60台。9位でシーズン初の予選突破を決めた。スコアカード提出場から出てくるなり「長かったあ」と安どの表情。報道陣に囲まれると「予選通ったぐらいでありがとうございます」と白い歯を見せた。

 海外を含め、開幕から14試合連続予選落ち。昨季の日本オープン覇者は長いトンネルに入った。「途中から(予選落ちを)数えるのが怖かった」。夫人は妊娠9カ月で11月19日に男児を出産予定。悔しい思いで決勝ラウンド前の金曜日に自宅に戻ると、「いいじゃん。早く帰ってこられて」と愛情いっぱいの言葉で慰めてくれた。とはいえプロゴルファーが週末に家にいるわけにはいかない。

 転機が訪れたのは前週のANAオープン。福島のゴルフ場に勤める年上の知人にバッグを担いでもらい「思い切りがない。怖がって振っている」と指摘された。ショットが曲がらなかった日本オープンの感覚を取り戻そうと、もがいていたが「曲がってからが勝負」という言葉に肩の力が抜けた。「アイアンは似たような雰囲気が出てきている」。12番は第1打を4Iでフェアウエーに置き、7Iでピンそば3メートルにつけてバーディー。自信が回復したアイアンでスコアを伸ばした。

 3週後の10月16日には日本オープン(千葉CC梅郷C)が開幕する。前年覇者として世界ランク2位のアダム・スコット(オーストラリア)を迎え撃つ大一番は目の前に迫っている。弾みをつけるためにも狙うは優勝の2文字。「上があまり伸びてないし。予選通るためにやっているわけじゃない」。壁をぶち破った小林の言葉に力がこもった。

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2014年9月27日のニュース