入江 背泳ぎは負けん!今季世界最高で3連覇 萩野下す

[ 2014年9月26日 05:30 ]

競泳男子200メートル背泳ぎ決勝 1分53秒26で優勝した入江陵介。手前は3位の萩野公介

仁川アジア大会第7日

(9月25日)
 スペシャリストの意地だ。男子200メートル背泳ぎで入江陵介(24=イトマン東進)が1分53秒26の今季世界最高で金メダルを獲得し、同種目史上初の3連覇を達成した。100メートルと合わせた2冠は2大会連続。競泳日本男子史上最多となる5冠を狙った萩野公介(20=東洋大)は1分56秒36で銅メダル。萩野は今大会全種目を終了し、金4銀1銅2と7つのメダルを獲得した。

 主戦場では負けられない。五輪種目に限ればアジア大会の3連覇は、過去に男子100メートルバタフライの山本貴司だけ。長く背泳ぎをけん引してきた自負が、24歳の入江にはある。序盤からリードを奪い、21日の100メートルに続き万能の20歳・萩野を寄せ付けず、トップでフィニッシュ。「ホッとしている。自分のレースに集中して、今季ベストが出せて良かった」と胸を張った。

 12年ロンドン五輪は200メートルで銀メダル、100メートルで銅メダルを獲得。夢舞台を終えた13年はモチベーションが低下し、世界選手権の個人種目でメダルを逃すなど失意を味わった。「楽しくない。やめたい」。一時は引退も考えたが、20年東京五輪・パラリンピックの招致に関わり、ハートに火が付いた。開催地が決定した9月の国際オリンピック委員会(IOC)総会にも出席。五輪が持つエネルギーを感じ、16年リオへ歩み始めた。

 直後に椎間板ヘルニアを発症し、腰に負担のかかるバサロのトレーニングが禁止されたこともプラスに変えた。練習不足のため以前よりも浅めに潜るようにモデルチェンジすると、よりバサロがスムーズに。この日の決勝前には治療に携わってくれたドクターやスタッフの顔を一人一人思い出した。「こういう舞台に戻ってこられると思っていなかった。感謝の気持ちを伝えたい」。今季ベストのタイムが、入江からのメッセージだった。

 競泳最終日の26日は400メートルメドレーリレーで2大会連続3冠を狙う。「まだ喜んでいる場合じゃない。4人が力を合わせないと勝てないんで、一丸となって戦い抜きたい」。招致活動では成功した際の公約に「47都道府県で水泳教室をします」と掲げ、今オフ実行に移す予定だ。アジア大会を黄金の輝きで締めくくって、全国のプールに足を運ぶ。

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