山本 総合大会初出場で金、完全アウェー跳ねのけ笑み

[ 2014年9月22日 05:30 ]

アジア大会柔道女子57キロ級で優勝し、金メダルを手に笑顔の山本杏

仁川アジア大会第3日

(9月21日)
 柔道女子57キロ級では総合大会初出場の山本が金メダルを獲得した。決勝は地元韓国選手との顔合わせで、完全アウェー。それでも「自分の方が支えてくれている人の数が多いと言い聞かせた」と、臆することなく、崩れけさ固めで一本を奪った。勝利の瞬間、顔をくしゃくしゃにして喜びを表現した。

 中学3年時の講道館杯52キロ級では白帯、スポーツ刈りで3位に入り鮮烈デビュー。57キロ級に転向し、昨年は最終選考会となる全日本選抜体重別で敗れながら、世界選手権初代表に選出されるなど、期待を集めた。だが、その大舞台で2度敗れ、5位。足技中心の自分の柔道を見失い、今年はその世界の舞台に立つことはできなかった。

 その世界選手権では宇高菜絵(コマツ)が優勝。ロンドン五輪代表の松本薫(フォーリーフジャパン)も戦線に復帰した。もし、アジア大会でも期待を裏切れば、今後の国内の争いで大きく後退するところだったが、踏みとどまった。「次につながる試合ができた。支えてくれている人に一つ、恩返しができた」。涙の乾いた表彰式で20歳らしい笑顔が輝いた。

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