藤田 故郷福岡初Vに男泣き、プレーオフ5ホール目で決めた

[ 2014年9月1日 05:30 ]

優勝インタビューで涙する藤田

男子ゴルフツアー アールズエバーラスティングKBCオーガスタ最終日

(8月31日 福岡県糸島市 芥屋ゴルフ倶楽部=7150ヤード パー72)
 12年の賞金王、藤田寛之(45=葛城GC)が男泣きだ。5ホールにわたるプレーオフを制して、4月のつるやオープンに次いで今季2勝目、ツアー通算17勝目を決めた。首位に6打差で出た藤田は65で回り、通算12アンダーとして梁津万(36=中国)と並んでプレーオフに突入。5ホール目で決着をつけた。3位は宮里優作(34=フリー)、前日首位だった金亨成(34=韓国)ら4人が並んだ。
【最終R成績】

 18番グリーンでの優勝インタビュー。「勝ちたい試合の一つだった。できれば…」と話すと、藤田の目から大粒の涙がこぼれた。通算17勝も故郷・福岡では初。病でコースに来られない父・寛実さん(75)への感謝や、ジュニア時代から憧れてきた大会にやっと勝てた安どの思いが駆け巡り、藤田は号泣した。

 前日の17位からこの日のベストスコアに並ぶ8バーディー、1ボギーの65で首位に並んだ。18番パー5での梁津万とのプレーオフは「ドライバーショットが右に出るし、アゲンスト風もあって劣勢続きだった。苦しかった」という。それでも今大会の高麗グリーン用に手にしたヘッドが重めのマレット型パターが再三のピンチを救った。「ピン型よりはじく感覚があって、ヘッドがボールを押してくれる」とプレーオフ1ホール目に4メートルのパーパットを沈めるなど5ホール目まできっちりとパーキープ。3メートルのパーパットを外した相手を振り切った。

 中学2年の時に初めて生で見たツアー戦がこの大会。福岡市東区香椎の実家から寛実さんに連れられ、地下鉄とギャラリーバスを乗り継いでやってきた。「中村通さんのプレーにくぎ付けになった」という。父子にとってはゴルフの出発点。プロ入り後は藤田のプレーをずっと観戦してきた寛実さんだったが、心筋梗塞と高齢のため2年前からコース観戦をやめた。実家でテレビ観戦した父への感謝と「できれば目の前で見せたかった」との思いが涙の理由だった。

 これで今季2勝目。賞金ランキングは小田孔明に次ぎ2位に浮上した。2年ぶりの賞金王への夢も広がるが「それよりフェードボールを打つという原点回帰が先」。もともとフェードヒッターだったが距離を求めてドローに改造。左肩を痛め、この日も注射を打つなど故障にもつながっておりもう一度、本来の球筋に戻すという。45歳にしてなお進化を目指す藤田の姿勢はまだ若々しい。

 【勝者のクラブ】▼1W=ヤマハ・インプレスRMXツアーモデル(ロフト角9・5度)▼3、5W=同・RMX▼UT=タイトリスト・913H(ロフト角21度)▼アイアン=ヤマハ・インプレスXプロトタイプ(4~PW)▼ウエッジ=タイトリスト・ボーケイデザインSM5(53、58.5度)▼パター=スコッティキャメロン・マレット型▼ボール=タイトリスト・プロV1

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