琴奨菊“奇跡の横綱”に誓い 震災の津波に耐えた秀ノ山像

[ 2014年8月14日 05:30 ]

落成式に先立ち「岩井崎」を訪問し、江戸時代の横綱秀ノ山雷五郎の銅像の前でポーズをとる横綱白鵬(右から3人目)ら力士会のメンバー

 大相撲の大関・琴奨菊(30=佐渡ケ嶽部屋)が、大津波にも耐えた“江戸の横綱”の前で将来の綱獲りへの決意を新たにした。力士会(会長・白鵬)の代表者8人が13日、宮城県気仙沼市を訪問。関取衆の寄付によって完成した相撲場の落成式への出席に先立ち、力士一行が真っ先に訪れたのが、景勝地・岩井崎に立つ第9代横綱・秀ノ山雷五郎像だった。年寄名跡「秀ノ山」を取得しており、引退後は秀ノ山親方になることが約束されている琴奨菊は「ずっと来たいと思っていた」と感慨もひとしお。同市内の中学に通う秀ノ山の子孫である小野寺大耀くん(13)とも記念撮影を行い、交流を図った。

 先場所は右大胸筋断裂という大ケガを乗り越えて12勝3敗の好成績を挙げた。「苦しい場所が続く中で良くなる兆しが見えて、こういうご縁で来させていただいた。不思議ですね。導かれているよう」。他の建築物が流されてしまった中で、震災前と同じ姿で海を見つめる横綱像。それを見上げた30歳の大関の目が本気になっていた。

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